しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

”ヨーデルの超絶技巧" 名手Franzl Langと石井健雄

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Tiktokで流れてくるヨーデル

Youtubeを見ていると広告で強制的に見せられるTiktokですが、ヨーデルが使われていたことがありました。

多くの人がこれがすごすぎて歌だということもわかっていなかったのでこれはいかんと思ってツイッターに投稿したらすごい拡散されてびっくりしました。笑

 

 

この人はドイツ・バイエルンのヨーデル界の伝説Franzl Lang氏です。

よく聴いていたにも関わらずスイス人という間違った情報を拡散してしまい罪悪感が…。

 

 

Tiktok曲名は”Auf und auf voll Lebenslust”


Yodelling - Franzl Lang

ちなみにスパイダーマン・カミングの主人公の着メロとしても使われていたんだとか。

どうやって歌っているのか想像もつかないほどの超絶技巧です。ヨーデルは裏声と普通の声を行ったり来たりする技法ですが、彼は唯一無二の存在でしょう…。

 

せっかくなので他の曲も紹介していきます。


Franzl Lang - Einen Jodler hör i

 

うーんすごい

なんというか中毒性があります

 

Twitterは1.3万いいねくらいいってたくさんのコメントももらいましたが

「これを聴いて元気になれました」とか

「あげてくれてありがとうございます」

とか言ってもらえてよかったです。多くの人に彼のすごさを知ってもらいたかったのでとても満足。笑

 

ドイツでも有名な日本のヨーデル歌手 石井健雄さん


たけし・さんま超偉人伝説!日本人ヨーデル歌手、タケオ・イシイ

ドイツでもとても多くの人が知っている石井健雄さん。

日本で独学でヨーデルを勉強し、ドイツで機械を勉強すると嘘をついてヨーデルを勉強しにドイツへ。

日本人でヨーデルというだけで最初は全く相手にされなかったそうですが、ひとたび舞台にでたら

「アルプス人もびっくり!東京のヨーデラー!」

と新聞に載って一躍有名になったんだとか。ドイツでテレビにたくさん出演してCDを何十枚もリリース…。

これだけ聞くと絵に描いたような話ですが、ドイツにいってから最初のチャンスを掴むまでの苦労は想像できるので心から尊敬です

 

コンサートの最初に浴衣を着てから一気にドイツの民族音楽をやるのが素晴らしいですね。日本人としてドイツの文化をやるというアイデンティティを失わないところが本当に良いことだと思います。


Takeo Ischi / Ishii / 石井健雄 - New Bibi Hendl (Chicken Yodeling) Original

Franzlの2番目の動画の曲”Einen Jodler hor i gern”


Takeo Ischi - Einen Jodler hör ich gern (Musikvideo)

IMPORTHIT AUS JAPAN

IMPORTHIT AUS JAPAN

Kann Denn Jodeln Suende S

女性のヨーデルもすごいです!

 

Mary Schneider マリーシュナイダー

シュナイダーさんはオーストラリア人歌手で、カルメンやウィリアムテルをヨーデルにアレンジされていたりしてとてもおもしろいです。


Mary Schneider - Yodelling Overtures

 そこで下がるんかーーい

というところが絶妙

 

ドイツの民族音楽Blas Musik

Twitterでも「このバックのラッパ吹きたい!」という声が多く寄せられましたが、この軽快な音楽と編成はBlas Musikというやつで、ドイツ人の金管ならみんながやってきているものです。

 

どんなに小さな村にもこういった音楽をやるようなバンドがあり、みんな子どもの頃にそこで楽器を始めたりして、音楽教室で楽器を習って、それで才能があれば音大にいくといった感じも珍しくありません。

 日本だとMnozil Brassが有名です。もちろん伝統的な編成ではありませんが、空気管は十分にわかります。

みんな酔っぱらいだすとこういうのを吹いて騒ぐという感じ。ミュンヘンのビアホールなんかではよく演奏されています。

 

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ナチュラルトランペットの名手 Jean-Francois Madeufのレッスン フライブルクの風景

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ナチュラルトランペットのレッスンを受けにバーゼルへ

僕はヴュルツブルク音大で、バロックトランペットという古楽器も勉強しています。Hannes Rux教授という専門の先生がいて、定期的にレッスンを受けてきました。

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ヴュルツブルクには古楽科があるのでバロックトランペットに興味のある方におすすめです。

 

 

Jean-Francois Madeufとは

仏リヨン国立音楽音大に在学中に古楽器を始め、卒業後はオーケストラで働いたのちエドワード・タールの後任として2011年にSchola Cantorum Basiliensis の教授に就任。

音孔を用いないナチュラルトランペットの第一人者として世界で知られている名手。

Bach Collegium Japanメンバー

 Madeuf教授は音程を調節する穴を用いない当時の本当の演奏スタイルの研究に尽力していて、演奏の困難なその楽器でバッハなどの超絶技巧も演奏する唯一無二の存在です。

日本でもよく演奏されていることもあり、ずっと興味があったので試しにホームページからメールを送ったらレッスンをしてくださることになりました。

 

レッスンの内容というのは公開すべきではないと思うので詳しくは書きませんが、とても素晴らしいレッスンでした。

僕は穴ありで吹いていますが、伝統的なアーティキュレーションの奏法やどうやって音楽を作るかということ、たくさん学べました。

先生はたくさん吹いてくれるのですが、その演奏が素晴らしすぎてとても感動しました。録音だけ聞いていると、ナチュラルトランペットの音程の難しさが気になってしまいますが、とにかく音と音楽が素晴らしい。

穴があいていないからこその中身のぎゅっと詰まっている音と、歌いまわしで音程のことを気にさせないという感じ。


Bach: Brandenburg Concerto no. 2. Kuijken, La Petite Bande

ここまでの良さがあるなら穴無しもいいなあ

とおもいました。今までは結構否定的だった考えが簡単に覆りました。

 

そして意外と、指の操作はいろんなことへの妨げになっているんだと実感。モダンだと指はもう自動的にソルフェージュと一致しますがバロックは違います。

 

”ただでさえ演奏するのが難しい楽器なのにそれに複雑な指の操作まで加わったら難しい。息と音楽のことだけ考えられる穴無しの方がむしろ楽だよ。笑”

といっていました。うーん簡単ではありませんが、指って結構邪魔しているんだなとは思えました。

 

音程がおかしくなってしまうFとAだけは穴を使って、それ以外はふさいで吹くのも良いなと思いました。

 

ソフトなタンギングも、教わった練習をやったらその場でできるようになって自分でも驚きました。すごい教授です。

 

とても気さくで優しい方で、うけに入ってよかったです。

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フライブルクの写真

バーゼルとフライブルクが近いのもあり、彼女が住んでいるフライブルクへ少し遊びにいきました。

 

フライブルクは街がかわいらしい雰囲気で、ヴュルツブルクやローテンブルクとはまた違ったよさのある街です。

 

https://www.instagram.com/p/Bo351N0Bomc/

さりげなくはいっているマクドナルド。笑 

日本と同じように景観保護的な感じなんですかね

https://www.instagram.com/p/BlSys0RBR5k/

 

 ただの路地裏もなんだかメルヘンな雰囲気。

 

https://www.instagram.com/p/Bo7O5KChJFS/

 

https://www.instagram.com/p/Bo95I5EhO9_/

ミュンスター教会

https://www.instagram.com/p/Bo_6JUohahs/

 

 近所に森があって、そこで練習していました。

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 基礎練習していたら3歳くらいの男の子がずっと遠くから見ていて、お母さんは早くいきたそうだったのにずっと動かないのでラピュタを吹いてあげました。

そうしたら喜んで拍手してくれて満足してくれたみたいでした。

 

ベルリンに住んでいた頃もよく森で練習してこんなことがあったなあととても懐かしい気持ちになりました。

ベルリンの森でハイドンを練習していたら、がっつりランナーの格好をした男性に

「いいね~!」と話しかけられ

「この曲知ってるんですか?」ときいてみたらまさかのDSO(ドイツ交響楽団)のトランペット奏者の方だったということもありました。笑

https://www.instagram.com/p/2dLtVxsUbd/

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フライブルクの歌劇場で、オペラ”オネーギン”をやっていたので観に行きました。学生8€。1000円で歩いて10分のところだったら日本でもみんな行くのかなーと思ったり。

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ストーリーはなんだかなあというお話ですが、ソプラノの超長丁場のソロはすごかったですし、3幕で出てくるバスのアジア人の人がものすごい声でした。

バスであんなに感動したのは初めてに近いというくらいの歌…。

 

オペラ歌手には舞台役者の要素もおおきくて大変だなと思いました。やはり容姿もどうしても重要ですし。

オーケストラは見た目関係なくてよかった。

 

素晴らしいことに合唱にはたくさんのアジア人がいました。でもドイツ人達は見ていてどう思うのだろうなーといつも思います。

 

中世ヨーロッパの舞台に貴族の服を着たアジア人がたくさんいたら変だし、それは白人が歌舞伎をやっているみたいな感じなのかなとか

 

だからといっていれないのは人種差別ということになりますし、そこは難しいところだよなあと…。

 

 

次はベルリンへの

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 齋藤友亨

 

Ensemble Classica Zushi 2018 自主公演の楽しさ

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8/8Ensemble Classica Zushi (ECZ)終演しました

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一年間かけて準備してきたEnsemble Classica Zushi (ECZ)の演奏会が無事に終演しました。

「逗子で、普段クラシックを聴かない人にクラシックを好きになってもらうきっかけを作りたい」というコンセプトのもと今年は去年の5重奏からメンバーを増やし、金管10重奏+打楽器という編成にしました。

こちらが去年の記事です。

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ECZのメンバー 

ECZってなんだかレンジャー感が強いですが略称がないと読んでもらえないのでこれにしておきます。

今回のメンバーは基本的に僕の友人である同世代で一線で活躍している人ばかりです。

ほぼ全曲を編曲してくれたホルンの鎌田渓志(鎌田渓志 (@keishi518) | Twitter)

は東京藝大卒で日本中のプロオーケストラに客演しているような売れっ子で、Filmbrass

filmbrassという映画音楽の金管アンサンブルも主宰しています。

なんと彼は幼稚園の同級生で、22年来の付き合いなんです。子どもの頃からの友達でたまたま2人とも音楽を初めて、2人とも音楽の道に進みました。

アレンジャーとしてもプレイヤーとしても多忙な渓志にアレンジも演奏もしてもらえたのはとても幸せなことでした。

打楽器は同じく逗子出身で小中学校の後輩である東京藝大卒で昨年のイタリア国際打楽器コンクールの小太鼓部門優勝した安倍梨々子、指揮は逗子出身でベルリン音楽大学卒業後、今秋からフランクフルトの現代音楽アンサンブル「アンサンブルモデルン」のアカデミー生になる馬場武蔵さんでした。

他のメンバーもコンクール入賞者や都内のオーケストラに客演しているような人ばかり。

そんな友人たちが、東京音大にはたった一年しか在籍していなかった僕のお願いに即答ででてくれると言ってくれてとてもうれしかったです。

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ECZのプログラムノート

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プログラムはもちろんブロガーの僕が全部書きました。
クラシックはただでさえ「堅苦しい」というイメージなのに、曲目解説までめちゃくちゃ堅苦しい上に何を言っているんだかさっぱりわからないものが多いので、ブログ記事を書く感覚でとにかくわかりやすさにこだわって大きめの字で書きました。

「齋藤のブログを読んでるみたいなノートだw」と多くの友人から言われました。笑

 こんな感じです↓

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次回は演奏会より前にブログでプログラムノートを公開してみようかなと思っています。

 

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ECZのデザイナー 長谷川友香

「クラシックのチラシってなんであんなにダサいのばっかりなの?」というのはよく言われていて僕も常々思っていました。

表面にプロフィールの字がびっしりあったりと、クラシックは他のジャンルの音楽よりも単純にメディアに気を遣っていない場合が多いので、どんなデザインなら目を引くものを作れるんだろうと考えました。

 

そしてメンバーの安倍さんが藝大オーボエ科の演奏会のチラシで油画を使っているものがあったと聞いて見せてもらい、ぜひこのデザイナーさんにお願いしたいと思い依頼しました。

↓そのフライヤーです。

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そして今回のデザインはこちら

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油画を一枚描き下ろしていただくというとんでもなく贅沢なフライヤーになりました。

そしてチケットもデザインしていただいて、さらに別の絵まで描き下ろしていただきました!

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 そしてプログラムのデザイン、背表紙も!!

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 長谷川友香 プロフィール

1995年 千葉県生まれ

2018年 東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻卒業 

・展示 2017年「上野の杜 次世代の巨匠たち展」

・他 東京藝術大学オーボエ科定期演奏会 ポスター・デザイン

    NPO法人 交響楽団はやぶさ 第二回定期演奏会 ポスター作成

   ㈱コスモ・コンサルティング・パートナーズ グリーティングカード作成

   ㈱オペレーション 年賀状作成

連絡先→ ysxjrko(at)gmail.com

 

来年もデザインしていただくことになっています!

 

 

マクドナルド ポテト無料券プレゼント

昨年の演奏会に来てくださったマクドナルドのフランチャイズの社長さんが、演奏をすごくよろこんでくださり、今年は協賛+マクドナルドのポテトとハンバーガー無料券をくださいました。

お客様も出演者もみんな喜んで、「演奏会に来てマックのポテト券www」と話題にしていただきました。笑

来年は飲み物もつけてくださるということになりました!

「みんなが驚くようなものを考えよう!」といってくださいましたので、乞うご期待です!

今回18社もの企業にご協賛いただけたおかげでこれだけのメンバーを集めて演奏会をすることができました。今後は逗子の方々にご支援いただけるよう頑張っていきたいと思っています!!

 

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湘南ビーチFMに出演

湘南ビーチFMという逗子のラジオに出演させていただき、今回の演奏会への思いをお話しさせていただきました。

パーソナリティーの方のご紹介で「湘南ビーチFMマガジン」にも取材していただいて、Who's Whoというコーナーに僕のインタビューを1面載せていただけることになりました。

9月14日に発刊でホームページからPDFで読むことができますのでまたお知らせします。

 

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二年連続の悪天候

昨年は突然の土砂降りで大変だったのですが、今年はなんと台風が直撃でした

前日からテレビで

「8月8日の夜は可能な限り外出は避けてください」

「8月8日の夜は電車が止まる可能性が高いです。大変危険です」

など散々いわれていたので

「100人も来ないかもね、、、でもそれはそれでしょうがないか」(400人くらいご来場の予定だった)

 

といっていたのですが

300人近くの方が来てくださいました!!!

 

逗子付近はそれほどひどくなかったので良かったです。

 

なんとこのブログを読んでくださってチケットをご購入いただいた東京の方まで来てくださって感激でした…。ブログ書いててよかった!と心から思えました。

しかも以前ブログに書いた森のコーヒーまでくださり…。

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宣伝のために逗子を回って知ったこと

今回は宣伝のために、逗子駅周辺の飲食店はほとんどと言っていいほどまわり、食事をしてから企画の趣旨を説明してチラシを置かせてもらえました。

「逗子の育ちで音楽をやっていて、少しでも多くの方にクラシックの良さを伝えられるような、逗子のための演奏会をしたい」

と説明すると、みなさん本当に快くチラシを置かせてくださり、応援してくださいました。

 

そうしてお店の方とコミニュケーションをとると、今まで客と店員というすごい遠い距離だったところから、一気に知人(ちょっと図々しいでふが)のようになれたことが嬉しかったです。

人との繋がりは、本当に一言声をかけるところから広がって行くものなんだと改めて思えました。

 

自分の生まれ育った大好きな街だからこそ、街の人たちのこともよく知って、

街の人たちにも自分を知ってもらうことが大事なんだと思います。

 

毎年同じように挨拶に回らせていただいて、少しでも逗子の方々から応援していただけるような音楽家になれるようがんばります。

 

 

アンケート回収率もほぼ半分

今年はアンケートを鉛筆もつけてお配りしたところ、回収率が半分近くになりました!

これはなかなかないことなのでとてもうれしくてびっくりでした。

「チケット2000円は最初は高いと思ったが聴いてみて安いと思った。」

「クラシックのイメージが変わった。」

「司会がよかった。」

「プログラムが見やすくてきれい。」

「すごい迫力で飽きなかった。」

「金管でこんなにいろんな音がだせるなんて知らなかった。」

「逗子でこんな素晴らしい演奏が聴けて幸せだ。」

などたくさんのうれしい言葉をいただき

「アレンジが素晴らしい!」

というお言葉もたくさんいただきました!!プログラムに記載し忘れてしまったのが悔やまれますが、編曲は鎌田渓志です!

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※ホルン奏者です。

 

ブログの匿名コメントは暴言もきますが、アンケートに暴言を書く人はいません。マイナスの意見を持っていても手書きならわざわざ書きませんよね。そこはネットと違うところ。

 

ECZの公演を終えて

自主公演は準備がものすごく大変でしたが、その分すごく楽しかったです。

僕が好きな人たちを集めて好きな音楽を好きなように楽しく演奏して、それを好きな人たちに聞いてもらって喜んでもらえるって、音楽家って幸せな職業だなと改めて思いました。

メンバー同士は初対面という人たちが多かったのですが、自分の友達同士が友達になるのもうれしかったですし、音楽を通じて仲良くなれるのも特別なものがありました。

主宰ということで結構自分勝手に進めてしまった部分も多かったと反省していますが、それでも「楽しかった!来年もやろう!」みんなが言ってくれたことが何よりもうれしかったです。

 

特に渓志と一緒に演奏できたこと、そこに東京音大の友達も混ざってできたところが楽しかった。

遠くに住んでいる同期たちが逗子まできて、本番直前は3日間泊まって毎晩飲んで、昼はリハして、というのがもはやそれメインというくらいに楽しんでいました。笑

 

というか彼らとちゃんと写真を撮り忘れてしまったのが悔やまれますw

打ち上げは酔っぱらいすぎました。笑

 

 

 ECZ2019は8/12㈷昼です!!

 来年のECZの演奏会は2019年8月12日(月・祝)の昼です!!

今回は平日だったので同世代の友だちを呼ぶことができませんでしたが、

来年は山の日の振り替え休日の8月12日にホールをおさえることができました!!

 

来年は、ロシアの劇場でバレエダンサーとして働いている兄と共演する企画をしています!

金管アンサンブル+打楽器+バレエ

という今までにないものを作れると思っています。

兄の動画です↓

www.facebook.com

お盆前の祝日で昼公演なので皆さまぜひお越しください!!

バレエが2000円、1000円で観られるなんてめったにないと思います!

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【古楽】おすすめのバロックトランペット奏者を紹介する【クラシック】

https://www.instagram.com/p/BjRfuZahUm_/

バロック(ナチュラル)トランペットとは

バロックトランペットとは現在のようなバルブが発明される以前に(発明されてからもしばらくの間)演奏されていたトランペットで

管の長さは現代のものの2倍、何もついていない唇だけで全てを演奏する楽器です(と言うと語弊がありますが)

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このトランペットは自然倍音しか出すことができないので、音階を吹くには高音域を出すしかありません。

というわけでピッコロトランペットで吹く音域を、4倍の長さの楽器でバルブ無しで吹いていたんですね。

 

というわけで訓練すれば誰でもそこそこ演奏できた楽器ではなく

Clarinnoと呼ばれたこの音域を演奏できた奏者はごくわずかだったと言われています。

 

そのため特別に高い給料が払われたり、そもそも勉強できるのが貴族だけだったり。

 

そんなトランペットは、高音域のメロディー楽器としてバロック期に栄華を極めました。

神々しく華やかな音色、音量もでるので花形でした。

バロックトランペットでブランデンブルク協奏曲2番 - あうすどいちゅらんと

 

この頃には王族などの来客や、とにかく重要な人物のための音楽にトランペットが用いられました。

それもファンファーレ的なものだけでなく、トランペット1本とその他の楽器という形も。

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そして20世紀になり、Edward TarrやFriedemann Immerといった人々が再びこの楽器の良さを世の中に広めました。

おすすめの著名なバロックトランペット奏者を紹介していきたいと思います。

 

 

Friedemann Immer フリーデマン・イマー

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Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047 (Freiburger Barockorchester)

1948年生まれ。ドイツのバロックトランペット界のパイオニア的な人で、3つ穴トランペットの開発やレパートリーの再発見など大きな影響を残しています。

どんなに高い音でもいとも簡単に出してしまうすごいプレイヤー。

 

友達がマスタークラスに行ったとき

「おれの音出しはこれだ!」といって

D管でハイDを5回くらい吹いて

「これで十分」

みたいな感じだったそうな。笑

 

僕の先生の先生でもあります。

CD↓

Trompetenkonzerte des italienischen Barock

 

Jean-François Madeuf ジャン・フランソワ・マドゥーフ

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 バッハコレギウムジャパンのメンバーとして日本でもおなじみになってきたマドゥーフは穴の空いていない本当の”ナチュラル”トランペットを演奏している数少ない奏者です。

多分穴無しのトランペットでブランデンブルク第2番を吹けるのは世界でも彼だけだと思います。

 

穴が無いと何が難しいかと言いますと、自然倍音ででる音程のずれた音を口だけで直さなければならないところです。

ファの音は1/4音ほど高くなり、ラの音は1/4音ほど低くなり

それを音を出す瞬間に変えるという神業です。全ての音が隣り合っているので、低めにファを吹こうとしたらミが出てしまうのです!!

 

しかし当時は穴が無いトランペットで演奏されていた(と言われている)ということで、それを極めているんですね…。


Bach BWV1047-3

CD↓

テレマン : トランペットとホルンのための協奏曲集 (Telemann : Trumpet & Horn Concertos / Jean-Francois | Pierre-Yves Madeuf | La Petite Bande | Sigiswald Kuijken) [CD] [輸入盤] [日本語帯・解説付]

 

 レッスンうけました!

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Hannes Rux ハンネス・ルックス

 

僕がヴュルツブルク音大で習っているHannes Rux教授は、ドイツで一番演奏しているのではないかというほどあちこちで演奏しています。

初めてレッスンで演奏を聴いた時は衝撃的でした。

こんなにいい音とこんな豊かな音楽があるかと…。

 

たまたまこんなすごい先生に副科で習えて本当に幸運です。

 

テレマンのソナタ


G.PH. TELEMANN: Trumpet Sonata in D major TWV 44:1, La Stagione Frankfurt

 

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 CD

Trumpet Concerto in D Major, TWV 51:D7: I. Adagio

Susan Williams スーザン・ウィリアムス

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ブレーメン芸術大学、王立デン・ハーグ音大の教授のオーストラリア人です。


Susan Williams "Anche virtu e belleza" Martinez de la Roca classic baroque trumpet

女性らしくとても軽くきれいに演奏されます。

人柄もフレンドリーで素晴らしい先生。

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Patrick Henrichs パトリック・ヘンリヒス


J.S. Bach - Cantata BWV 90 Es reisset euch ein schrecklich Ende | 3 Aria (J. S. Bach Foundation)

トロッシンゲン音大の教授で、バッハカンタータなどの録音があります。

レッスンを受けたことがありますがとても分かりやすくて人間的にもパワフルです。

 

 

Niklas Eklund ニクラス・エクルンド

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スウェーデン出身の最も有名なソリスト言っても過言ではないスター。

ボー・ニルソン、ピエール・ティボーにモダントランペットを師事し、バーゼル交響楽団首席に就任。

同時にバーゼル・スコラ・カントゥルムでエドワード・タールに師事し、1996年にアルテンブルク国際バロック・トランペット・コンクールで優勝。

それからバロックトランペットのソリストとして活動するようになった。

 


Michael Haydn - Trumpet Concerto No.2 in C-major

CD

バロック・トランペットの技巧 第1集

Digital Booklet: Baroque Trumpet (The Art Of The), Vol. 2

 

Alison Balsom アリソン・バルサム

言わずと知れたモダンのスーパーソリスト。

彼女は積極的にバロックトランペットを演奏していてCDも出しているんですがこれが本当に素晴らしいです。

特にこのカウンターテナーとのCDは最高です。


Alison Balsom | Sound The Trumpet | Eternal Source of Light Divine

このCDです!

Sound the Trumpet: Royal Music

 

 

Reinhold Friedrich ラインホルト・フリードリヒ

Chamber Music (Old English)

CD↑

フリードリヒもモダンの超有名人ですが、彼もバロックトランペットを演奏してCDも出しています。

彼の素晴らしい音楽性はバロックトランペットでもさらに発揮されていてとても好きです。Fingerなどのソナタが収録されています。

 

古楽のよさ

古楽ってものすごくマニアックな世界に感じるかもしれませんが、演奏はとても自由で聴いていても演奏していても楽しいです。

作曲した人がそのまま演奏していたころの音楽は、楽譜に書いてあることがとても少なく(強弱やアーティキュレーションもほぼ書いていない)その分音楽家に任されています。

作曲家から音楽かへの尊敬も感じますし、”再現芸術”じゃないんだと思えます。

即興も多いし、通奏低音だけが書いてあって後は奏者に任せるということもあります。

 

シンプルなだけに自由

って感じです。

 

日本でも少しずつ良さが知られていけばいいなと思います。そのために色んな記事を書きます!!

全てを当時の楽器で演奏する古楽器オーケストラ Orchestre Révolutionnaire et Romantique - あうすどいちゅらんと

 この演奏聴いてみてください。最高


Beethoven: Symphony no. 3 in E-flat major ("Eroica"), Gardiner, ORR

 

トランペットのこと

毎年夏に逗子で金管アンサンブルの演奏会をしています!ぜひ読んでください。

 

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おすすめのトランペット奏者を紹介していく クラシック - あうすどいちゅらんと

【ビックバンド】ハイトーンキュインキュインのおすすめのトランペット奏者 - あうすどいちゅらんと

トランペットがかっこいいオーケストラ曲を紹介する - あうすどいちゅらんと

【吹奏楽】トランペットがかっこいい吹奏楽曲を貼ってく - あうすどいちゅらんと

毎年逗子で演奏会をする理由 Ensemble Classica Zushi 8/8 2018

https://www.instagram.com/p/BASEsInsUb6/

Ensemble Classica Zushi

今年は8/8(水)19:00から逗子文化プラザなぎさホールで自主公演の演奏会をします。

 

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 この間も書きましたが今回はもうちょっと詳しくこの演奏会について書きたい思います。

ブログを2周年 クラシックに興味を持ってもらうために何を書くか - あうすどいちゅらんと

毎年逗子でクラシックの演奏会をする企画

2016年は逗子文化プラザ主催のコンサート企画”若手演奏家シリーズ”で

今回も共演するホルンの鎌田くんとトリオリサイタルをさせていただいたり

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2017年には完全自主公演で金管五重奏の演奏会をしました。

www.tomotrp.com 2017年の金管五重奏の演奏会をしたときに、

逗子に独りでお住いの高齢者の方々を無料で招待しました。

 

・そもそも外出のきっかけがない

・自分で演奏会を探してチケットを買って聴きにいくほど音楽が好きなわけではない

・そもそもクラシックは聴かない

 

という方々に

クラシック音楽と金管アンサンブルのすばらしさを知ってもらいたい!!

という思いでした。

 

逗子文化プラザではかなり頻繁に著名な音楽家がコンサートをしているのですが、

やはりそういったコンサートに足を運ぶのってそもそもクラシックが好きな人なんだと思うんですね。

 

ただクラシックを今の状態からもっと多くの人に聴いてもらえるようになるには、

普通だったら絶対聴きに来ないであろう方々に良さを知ってもらうきっかけを作ることだと思います。

 

なんかクラシックの演奏会って行きづらいってイメージがあります。

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充分黒字になる程度には売れていたので、

逗子市に独りでお住まいの高齢者だけには無料にしたところ、50人ほどの方が来てくれました。

 

金管アンサンブルを聴くのが初めてだったという方が多く、

「こんなに素晴らしい演奏会を招待で聴かせてもらえたなんて!」ととても喜んでいただけて

「来年も楽しみにしているから」

とたくさんお声掛けいただけました。

 

こうして今ドイツに住んでいる自分が、生まれ育った逗子でこんなことができるなんてなんて幸せなんだろうと思いました。

 

演奏会に子どもを連れてきづらい

「子どもがいるから演奏会にいくのは厳しい…。」

ということもよく聞きます。

 

未就学児入場不可が普通ですし、連れて行って泣き出したりしたらどうしようと思ってすごく連れていきづらいと思います。

それで“子どものためのコンサート”だと親が聴きたいものとはずれているわけで…。

 

しかし今回は

未就学児入場可(無料)です。

 

だって子どもに一番聴いてほしいですからね!

 

物心もつかない頃までに体験した芸術ってその後にかなり影響が残ると思うんです。

子どもが衝撃を受けたときって強烈です。みんなすごく敏感に何かを感じ取ってくれると思います。

それも幼稚園に訪問演奏にくるのでなくちゃんとしたホールで聴くと。

 

僕は幼い頃に観に行ったバレエは本当に自分の深いところに残っているんだなと感じることがよくあります。

当時はなんだか退屈だったしセリフもないからわけわからないし、愛がなんなのかもわからなかったわけですが。笑

でも何かが残っています。その時にたくさん聴いたオーケストラの音とクラシック音楽が、僕がクラシックが好きになっていった理由なんだとも思います。

 

それと、

 

子どもはたぶん金管アンサンブルの演奏会で飽きてわちゃわちゃしたり泣いちゃったりはしないと思います。

泣いていた赤ちゃんの前でトランペットを吹いたら泣き止んだということが何度かありました。笑

 

それに金管アンサンブルって基本的に音が大きいので、極端にじっと静かにしなければならないような緊張感もないと思います。

 

聴きに来てくださる大人の方々みなさまにも、子どもたちを大目に見てくださるようお願い申し上げます。

 

トランペット奏者の”管の消費量"がとんでもない件 トランペットの種類 - あうすどいちゅらんと

 

学生のお客さま(を中心に)にマックのポテト無料券をプレゼントします!!

 

 

 

演奏会のプログラム

今回もクラシックの名曲を中心としたプログラムにしました。

 

ウィリアム・テル序曲からスイス軍の行進


「ウィリアム・テル序曲」から「スイス軍の行進」:NHK交響楽団ブラスアンサンブル


 運動会などでおなじみのロッシーニのオペラの序曲です。

この序曲のイメージとは大きく違い、このオペラは5時間以上にわたり民族の対立や犠牲など重いテーマの劇的なストーリーです。

 

お話は14世紀のスイス。

当時オーストリアに占領されていたスイスはオーストリア総督ゲスレルの圧政に苦しんでいました。

ゲスレルは町の広場の真ん中に長い棒を持ってくると、そこに帽子をかけ

「これはオーストリア皇帝の帽子だから前を通るときは必ずお辞儀すること」

などということを言い出しました。

 

しかしテルがあえてそれを無視すると、罪に問われてしまいます。

テルが弓矢の名手であることを知ったゲスレルは、なんとゲスなことに

息子の頭上にリンゴを置いて射落とせば許そうと提案します。

 

そんなことはできないと苦悩するテルですが、勇敢な息子に励まされて見事にリンゴを射落とします。

 

しかしもし失敗したらもう一本の矢でお前を殺そうとしていたとゲスレルに言ってしまったので当然捕らえられます。


護送される船から脱出したテルは息子に渡された弓矢でゲスレルを射殺。

アルノルドたちもオーストリア軍に勝利します。

人々はスイスの解放を喜び自由を歌いあげます。

 

というスイスの有名な童話です。

息子勇敢すぎ

ロッシーニ: ウィリアム・テル 全曲 仏語版

葦笛の踊り


Dance of the Reed pipes from The Nutcracker (Mariinsky)

ソフトバンクのCMでおなじみのくるみ割り人形から”葦笛の踊り”

フルート中心のこの曲を金管アンサンブルで吹くとどんなことになるのかというのが聴きどころです

 

花のワルツ


Royal Opera House's - Waltz of the Flowers - Ovation

こちらもくるみ割り人形からの名曲。

金管五重奏の演奏会でも一番好評だったので今年は10重奏+打楽器バージョンです。

 

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魔笛より”夜の女王のアリア”

夜の女王のアリア (魔笛) 復しゅうの心は地獄のように胸に燃え ルチアーナ・セッラ Der Hölle Rache - YouTube

とても有名なハイトーンのアリアを、トランペットで演奏します。

麻生康平というやたらとこのピッコロトランペットという楽器がうまいやつがいるので吹いてもらいます。笑

 

ペールギュント 山の魔王の宮殿にて

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多分音楽の授業で習ったという人が多いかと思います。このアニメーションとマッチしすぎです…。

 

道化師 ギャロップ

Kabalevsky - The Comedians, Op. 26 - Galop. Presto - YouTube

これまた運動会系です。打楽器が必須な曲。

 

雷鳴と電光


ポルカ《雷鳴と電光》(J,シュトラウス) - YouTube

オーストリアやドイツの”軽さ”をお聴きいただけたらと思います。

 

吹奏楽のための第一組曲 (ホルスト)

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吹奏楽をやっていた人ならだれもが知っている超定番曲。

金管アンサンブルだとどうなるんでしょうか。

 

ピアノとフォルテ(ガブリエリ)

Giovanni Gabrieli Sacra Symphonia Sonata Pian'e Forte - YouTube

 

空間を使ったルネサンス音楽。後半は名曲シリーズから少し雰囲気が変わります。

 

Christus Factus Est (ブルックナー)

King's College Cambridge 2013 Easter #9 Christus Factus Est, Bruckner - YouTube

ブルックナーの合唱曲で、重厚で荘厳なドイツの響きをお楽しみいただけると思います。

 

”イーゴリ公”よりダッタン人の踊り あらすじ

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19世紀のロシア音楽5人組の一人、ボロディン作曲のオペラ、”イーゴリ公”。

ボロディンは作曲を専門の職業とすることなく、軍医として、医大の教授として働いていました。

この作品を完成させることなくボロディンは没してしまいましたが、リムスキー=コルサコフとグラズノフによって完成されました。

 

”イーゴリ公”の舞台は12世紀のロシア。

ダッタンの脅威に晒されたロシアを救うために遠征に出た君主・イーゴリ公は戦いに敗れ捕虜となっても。再び祖国を救うことを期して決死の脱出をはかり、ロシアに帰還を果たす-という物語です。

その2幕がこの有名な”ダッタン人の踊り”というシーンで、

敵将が負傷して捕らわれている主人公イーゴリ公の気晴らしにと宴席を設け、

その余興として、華やかに繰り広げられる歌と踊りがです。


この場面では、ダッタン人の若者と娘たち、戦利品として略奪されて来た娘たちが歌い踊り、

前半と後半で繰り返されるエキゾチックな歌には、 奴隷として連れて来られた人々の望郷の思いが込められています。

 

超くだらないですが、この有名なメロディーの歌には昔から日本語の替え歌があります。

 

「ダッタン人、親父はダッタン人、お袋はニッポン人、妹はハーフ
ダッタン人、親父はダッタン人、お袋もダッタン人、俺だけはハーフ」

 

んー。こうとしか聞こえなくなってきますね。

 

ボロディン風に という曲を書いたラヴェル

ボロディンのエキゾチックで一度聴いたら忘れないようなメロディーは多くの作曲家に影響を与えました。

特徴もとらえやすいのでパロディ曲も書かれました。

ラヴェルが”ボロディン風に”という曲を書いています。なんかやたらおしゃれになっていますが。笑

たくさんの人に来てもらいたい

前回の演奏会が終わったときからこの夏の演奏会のことをずっと考え続けてきて、もう早いもので演奏会まで2か月を切っています。

 

今年はさらに多くの方を招待するということで、それによって協賛もたくさん得ることができました。去年は0だったのでとてもありがたいです。

 

今はまだ音楽の魅力を知る機会がないという人のために、逗子のために、まだまだがんばります。

クラシック音楽を好きになってもらうきっかけになるアンサンブルにしていきます。

 

ゆくゆくは逗子でクラシックの音楽祭をやるのが夢です。

ドイツの自分のつながりのある有名なプレイヤーを呼んでマスタークラスしたり、アマチュアの人とも混ざって一緒に演奏したり、アンサンブルをやったり。

そんなことをいつか逗子でできたらと思っています。

海でライブハウス作ってすごいアーティスト呼ぶ企画ができたんだから、クラシックもできるはず。

 

逗子音楽祭!

 (伊豆と勘違いされる可能性が高い)

 

指揮者って何のためにいるの?違いあるの?という人へ。指揮者の存在理由と演奏の違い - あうすどいちゅらんと

 

 

呼吸には2つのタイプがある?生年月日でわかる "月"タイプと"太陽"タイプ

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吐く"太陽タイプ"と吸う"月タイプ"

少し前からドイツでは有名になって、管楽器奏者はほとんどの人が知っている"呼吸タイプ"。

日本ではあまり知られていないようだったので、説明していきたいと思います。

 

人間には呼吸のタイプというものがあり、

吐くことが得意な太陽タイプ

吸うことが得意なタイプ

に分けられるという考えです。

 

生年月日で調べられるのですが、普段の生活から見分ける方法があるということで

先にそちらを紹介しようと思います。

 

この理論の提唱者が

その人の生まれた時の月と太陽の引力の関係で呼吸タイプが決まるから、生年月日でわかる

と言っています。

 

細かい理論はこちらに載っていますが(ドイツ語) 

klarinette 24 - Tricks: Atemtypen

 

※僕が提唱してるんじゃありません!!!

 

 

 

息を吸うのが得意か吐くのが得意か

普段の生活の中の様々なシチュエーションのなかで息を吸うのか吐くのかということで、常に肺の中に空気が入っているタイプかあまり入っていないタイプかがわかると言われています。

 

・ため息をつくときに吸ってから吐くか、いきなり吐くか

・重い荷物を持ち上げる直前に息を吐くか吸うか

 ・疲れてソファーに座って息をつくときに、吸ってから吐くかいきなり吐くか。

 

 

太陽タイプの人は吐くのが得意

太陽タイプの人は吸おうとしなくても常にある程度の息が入っていると言われています。

何も意識しないでいるときに、吸わなくてもいきなり息が吐ける人

 

常に空気が入っているので吐くことは得意ですが、ゆっくりたくさんの息を吸うことは苦手とされています。

 

勝者の呼吸法 - 横隔膜の使い方をスーパー・アスリートと赤ちゃんに学ぼう! - (ワニブックスPLUS新書)

月タイプは吸うのが得意

月タイプの人は意識していない時に入っている息の量が太陽タイプの人よりも少ないので、短いブレスでいきなり息を吐くのは苦手とされていますが、ゆっくりたくさんの息を吸うことが得意とされています。

 

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(タロットカードいれると胡散臭さがましますね…w)

 

?の場合は生年月日だけで断定できない

生年月日で調べて?がでた場合は生年月日ではどちらか特定することができないらしいです。

上記したような日常の中の呼吸で判断するといいと思います。

 

「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!

著名な管楽器奏者(と指揮者)の呼吸タイプ

 

太陽タイプの奏者

モーリス・アンドレ Tp

アドルフ・ハーセス Tp

セルゲイ・ナカリャコフ Tp

ハンス・ガンジュ Tp

シュテファン・ドール Hr

ラインホルト・フリードリヒ Tp

ミシェル・ベッケ Tb

アーノルド・ジェイコブスTu

ロジャー・ボボ Tu

アルブレヒト・マイヤー Ob 

シュテファン・シュヴァイゲルト Fg 

フランソワ・ルルー Ob

"拍手”をiTunesで150円で販売しているFrançois Leleux(フランソワルルー)の演奏会 - あうすどいちゅらんと

 

クラウディオ・アバド Cond 

小澤征爾 Cond

小澤征爾×ベルリンフィル 聴衆の反応 - あうすどいちゅらんと

リッカルド・ムーティ Cond

シカゴ響&ムーティーがフランクフルトに。 価値観の違い - あうすどいちゅらんと

 

 

月タイプの奏者

ホーカン・ハーデンベルガー Tp

ティモファイ・ドクシツェル Tp

イエルーン・ベルワルツ Tp

ウィントン・マルサリス Tp

アルトゥーロ・サンドヴァル Tp

メイナード・ファーガソン Tp

マイルス・デイビス Tp

ラデク・バボラーク Hr

ジョゼフ・アレシー Tb

サラ・ウィルス Hr

エマニュエル・パユ Fl

 

ダニエル・バレンボイム Cond

ヴァレリー・ゲルギエフ Cond

エリオット・ガーディナーCond

ニコラウス・アーノンクール Cond

 

?タイプ

オーレ・エドワルド・アントンセン Tp

クリスティアン・リンドバーグ Tb

ピエール・ティボー Tb

サイモン・ラトル Cond

 ザビーネ・マイヤー Cl

 

ひたすら生年月日を調べて打ち込むのはちょっと大変でしたが、なかなか興味深いです。

 

ハーセスやアンドレが太陽で、マルサリスがドクシツェルなのもなんとなく納得な気がします。

 

アーノルド・ジェイコブス が太陽というのも納得。

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呼吸タイプを調べられるサイト

その生年月日で呼吸タイプを調べられるサイトがこちらです。↓

Ein-/Ausatmer 

ドイツ語なので一応訳をつけます。

 

最初は北半球生まれか南半球生まれかという質問なので

日本の皆さんは上のNördliche Heimsphäreをクリックしてください。

 

次のページでは生まれ年をクリック。19世紀以前を調べたい場合は19引いていってください

 

次のページでは生まれ月を選びます

Janur           1月

Februar        2月

März            3月

April             4月 

Mai               5月

Juni              6月

Juli               7月

August         8月

September   9月

Oktober       10月

November    11月

Dezember     12月

ドイツ語…

 

 

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自分に合った呼吸

プロの奏者でも、ゆっくり時間をかけて吸って吹く人もいれば短く吸って吹く人もいて様々です。

 

必ずこの吸い方でなければいけないとは考えずに、

吐くのが得意か吸うのが得意かということに注目してみるといいかもしれません。

 

 長く吸ってから吹いてどうも力んでしまうという人や、短く吸うと浅くなってしまったり力が入っていると感じてしまう人はどちらも試してみるといいと思います。

 

世界で活躍するプレイヤーで、ゆっくり吸う人も短く吸う人もいるわけなので、自分の身体が一番心地よく感じることが大事だと思います。


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【古楽】中世のドイツのラッパ吹きはオーボエもヴァイオリンも必修だった【Stadtpfeiffer 】

Stadtpfeiffer シュタットプファイファー

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今回はStadtpfeiffer(シュタットプファイファー)という、14-18世紀のドイツで、街に雇われて演奏していた音楽家についての講義なども含めた講習会でした。

シュタットプファイファーの主な仕事は要人の来訪知らせる音楽や時報のトランペット、火事の知らせなども含まれていました。

結婚式やお祭りなどのイベントではさらに追加のギャラがでたんだそうな。

そのような街に雇われている公務員的な職業だったんだそうです。

 

それは現在もドイツにたくさん州立のオーケストラがある理由の一つです。

このシュタットプファイファーという音楽組織が拡大してシュターツカペレになっていきました。(ゲバントハウスライプツィヒ、シュターツカペレ・ドレスデンなど)

 

ちなみにバッハもStadtpfeifferです。

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シュタットプファイファーは様々な楽器を演奏しなければならなかった

シュタットプファイファーは基本的に5種類以上の楽器を演奏できなければならず、オーディションの曲が今も残っています。

 

トランペット→オーボエ→歌→トロンボーン→ヴァイオリン

といった順番で、区切りなくすぐに持ち替えて演奏しなければならなかったそうです。

ちょっと音を出したりすることもなく連続です。

 

そしてトランペットやオーボエは歯が無くなると吹けなくなってしまうので

40代くらいになったら歯がないという理由から

”じゃあヴァイオリニストになります”という人もいたそうな。笑

 

ことに身体から音の出るトランペットのスペシャリストは重宝されたんだそうです。

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ドイツのトランペット曲がとても難しい理由

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クリスマスオラトリオやロ短調ミサにはHigh DやHigh Eといったとても高い音がとてもプレッシャーのかかるシーンで出てきます。

とっても難しいのです。

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それに比べるとフランスや他国のトランペットはそこまでとんでもなく高い音などは要求されていません。その理由として僕が思うのは(※私見です!!)

 

ドイツは音を外しても処刑はされなかったから。

 

なんじゃないかなーとおもっています。

例えばフランスでは王の御前でトランペットが音を外したら処刑されていたという話が残っているくらいなので、作曲家もトランペット奏者の絶滅を防ぐためにそこまでリスクのある音は書かなかったのではないかと。。。

 

しかしドイツでも

 

うまいトランペット奏者は王宮に仕え、そうでもない奏者は戦場に進軍ラッパ要員として送られた

とも言われています。

 

最高の練習へのモチベーションよね!HAHAHA!

 

とスーザン先生は言っていましたが本当に生死がかかっているわけですもんね、恐ろしい…。

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バロック時代はトランペットの黄金期

 ”昔のトランペット”というと

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こんなやつで、ピストンもキーも何もついていない、ただの真鍮の管です。

ブブゼラや法螺貝と同じとても原始的な楽器。

唇の振動だけで音程を変えて、自然倍音しか出ないので、半音階を吹くことはできません。

 

え、こんなんでメロディー吹けるわけないっしょwww

 

と思うでしょうし、実際古典のオーケストラ作品では基本的にティンパニと同じ動きのシグナル的な位置づけで、メロディーを吹くことはありませんでした。

 

しかし、バロック時代トランペットは一番花形のメロディー楽器だったのです!!

 

先ほどのクリスマスオラトリオもそうですが

非常にメロディックで繊細、そして神々しいシーンで使われる楽器でした。

 

トランペット=神、王

という役割

このようなとても美しいメロディーや


Giuliano Sommerhalder - Telemann Concerto - Baroque trumpet

 

このように木管楽器とアンサンブルしてもよく混ざるという楽器だったのです。


T. G. Albinoni: Concerto for trumpet, 3 oboes, bassoon & b.c. in C major / Symphonia Perusina

こんなとんでもなく難しい曲もありました。


Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047 (Freiburger Barockorchester)

 

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 トランペットは色んな事ができる楽器

トランペットには本当にながーーーーい歴史があり

バルブ無しの楽器で室内楽でソロを吹いていたりオーケストラで重要なソロをふいていたこともあれば、シグナル的な役割も長くつとめ、バルブが開発されればメロディー楽器としての地位を取り戻し、オーケストラから、ジャズ、ポピュラー、吹奏楽と全ての花形になりました。

 

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トランペットと一口にいってもたくさんの種類があります。

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トランペットって最高な楽器じゃないですか。

吹奏楽なら花形、ブラスバンドならコンサートマスター、ビックバンドならリーダー、ジャズも花形、オーケストラも古典でもオーケストラを支配する存在、近代ならここぞというところで出てくる一番いいとこどりの立ち位置。

 

トランペット始めましょう!

 

 僕はヴュルツブルクでバロックトランペットを勉強しています。Hannes Rux教授についてはこちらから。

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トランペット関連

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【古楽】Susan Willamsのバロックトランペット・オーボエ・ファゴットの講習会

5月の一週目は教授とクルージングにいって1週間みっちりモダンのトランペットのレッスンを受けながらドイツの歴史やメンタリティを学んできましたが、5/23-26で今度はバロックトランペットのワークショップに行ってきました。

ブレーメン音大とオランダのデン・ハーグ音大の教授であるSusan Williams(スーザン・ウィリアムス)です。

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Susan Williams(スーザン・ウィリアムス)

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オーストラリア出身。オーストラリアでトランペットのキャリアを積んでからヨーロッパへ。

Collegium Vocale Gent, Les Arts, Anima Eterna, Musiciens du Louvre, Al Ayre Espagnol, Les Agremens, Elbipolis, Concerto con Anima und Les Amis de Philippeなどのバロックオーケストラで演奏。

トランペットアンサンブル”Clarini”とバロックオーケストラ”Bachischen Collegium Bremen”を主宰。

現在ブレーメン芸術大学及び王立デン・ハーグ音楽院教授。

 


Susan Williams "Anche virtu e belleza" Martinez de la Roca classic baroque trumpet

 

 

オーボエ・ファゴット・トランペット1本という編成

いまでは意外に感じるかもしれませんが、バロック期には2~3本のオーボエとファゴットと通奏低音のOboe Bandにトランペット1本という編成のレパートリーがたくさん存在します。

 

トランペットとオーボエの音がよく混ざること、さらに1本メロディー楽器としてのトランペットが入ることによってキャラクター付けが強くなることなどがあります。

トランペット=王様、要人、神

という役割だったので、トランペットを1人入れることで華やかさだけではなく、音楽にそのような意味合いを付け加えることができたと考えられます。

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【古楽】中世のドイツのラッパ吹きはオーボエもヴァイオリンも必修だった【Stadtpfeiffer 】 - あうすどいちゅらんと

こちらの演奏は弦楽器が入っていますが、古楽器で演奏されています。

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MolterやHertelなどたくさんの作曲家がこの編成で曲を書いています。30~40局はあるそうです。telemannやFaschも。

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これはトランペットとファゴットのデュオです。

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あまり知られていないような名曲がたくさんあるんですね。

古楽を勉強することですとても得られるのは、レパートリーが大幅に広がることもあります。当時の楽器を実際に吹いてみることで見えてくる演奏の仕方もありますし、当時の演奏のスタイルやフレージングを勉強することで音楽の表現の幅が大きく広がると思います。

 僕はヴュルツブルクでHannes Rux先生のもとで勉強しています。

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ワークショップの内容

トランペット5本・オーボエ3本・オーボエダカッチャ1本・

ファゴット3本・打楽器

という全員でやるアンサンブルを二曲。

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そしてトランペットは一人一曲コンチェルトを吹かせてもらいました。

僕はGraunというドイツの作曲家のコンチェルト。全く音源もなくてパート譜しかもらっていなかったので初日はよくわかりませんでしたが、とてもいい曲でした。

 

まず全員の曲を合わせてからコンチェルトを全曲やり(全て全員で聴講)、その後はトランペットアンサンブルやデュエットをして、一日の最後に個人レッスン。既にバテバテでしたが。笑

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そんな毎日が3日間続いて、最終日はSchönbeck城というところで演奏会でした。お城といってもとても小さくてかわいらしいところで、海洋博物館のようになっていました。

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しかしとてもいい天気だったのでせっかくだから野外でやろう!ということになり、庭で演奏をすることになりました。

ドイツでは野外演奏をするのにも役所の許可が必要なのでそれには時間がかかりましたが無事に開催することができました!

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このお城はブレーメンの街からは車で15分くらい行った郊外なのですが、それにもかかわらず数十人のお客さんが聴きに来てくれました。

これは本当にドイツならではで、ドイツの好きなところです。

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実はこれが初めてのバロックトランペットのソロの本番でした。

僕がソロを吹き終わったときに指笛を吹いてくれたり、”よかったよ!!”と親指を立てくれるおじさんがいたり、とても嬉しかったです。

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古楽は不完成で演奏がとても難しい楽器を使ってすごくシンプルな音楽をやるので、本当に音楽的なアイデアをもって演奏しないと聞くに耐えない演奏になってしまいます。

モダンよりも音を出すのが難しいはずなのに、バロックトランペットを吹くときのほうが音楽のことだけを考えられていますし、演奏もとても楽しいです。

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Susan Williamsのレッスン

https://www.instagram.com/p/BjRfuZahUm_/

in natural trumpets 

彼女にとても言われたことは

”more easy" 

というとてもシンプルなことでしたが僕にはすごく助けになりました。

個人レッスンは短い時間でしたが、一緒にアンサンブルやデュエットをしたり、先生が吹いているのを聴いていてとても感じたことは

「ものすごく楽に吹いている」ということでした。

パワーやたくさんの息を使わずに最小のエネルギーでリコーダーのようにHigh Dを吹く先生…。

 

一緒に吹いているうちに僕もどんどん力が抜けていって、オーボエとのアンサンブルも音が混ざるようになっていって不思議でした。

 

”裏声で吹く”という感覚がよくわかった気がしました。

 

フランスバロックのスイングのようにドゥダドゥダ吹くニュアンスだったり、フレーズのとり方も、今勉強していることと基本的には同じスタイルでも、いろんなやり方があるということを知れました。

 

音楽的にも奏法的にもすごく実りのあったワークショップになりました。

 

最後に先生に

「音もとても良いし、何より4日間で毎日どんどん成長していったのが素晴らしかったわ」といってくださったのが嬉しかったです。

 

イタリアでプロで活動している人や、ブレーメンのバロックトランペット専攻の人達とも仲良くなってたくさん話せたのも楽しかったです。

小さな業界なので、これからもどんどんワークショップやマスタークラスに参加していきたいと思います!

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"クラシック演奏会へどんな服を着ていけばわからない”という人へ

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クラシックは敷居が高いからいきたくない

クラシック音楽自体は割と好きなんだけど、あのなんとも敷居の高い雰囲気が苦手なんだよね〜

という人や

なんかクラシック好きな人たちの雰囲気が好きになれない!

といった話をよく聴きます。

 

クラシックの演奏会に行くときはスーツとかドレスで行った方がいいの?

カジュアルすぎると浮く?

 

とか色々と考えてめんどくさくなってしまいますよね。

参考までにドイツがどんな感じかご紹介します

 

 

ドイツ人の演奏会での服装は人それぞれ

ドイツでは演奏会というと本当に色んな服装の人がいます。

年配の方々は基本的にスーツやドレス、そうでなくてもジャケットやワンピースなどフォーマルな感じが多いです。

小さな子どもが蝶ネクタイをしてきていたり、女の子がドレスを着ていたり。

若い女の子もドレス風なワンピースを着ていたりして楽しそうです。

 

しかし完全にジーパンとTシャツみたいな感じの人もいますし、特に学生は完全に普段着な人が多いです。 

マリー・アントワネット (通常版) [DVD]

クラシックの演奏会で非日常を楽しんでいる

ドイツ人はあまり普段からおしゃれな服を着て歩くという感覚がないので、みんなとてもラフな服装をしています。

そんな中で、クラシックのコンサートというのは非日常

みんな開演の1時間ほど前にはホールを訪れ、シャンパンやワインなどを飲みながら談笑しています。まさに上流階級。

 

90歳くらいのおばあちゃんが思い切り背中の開いているドレスを着ていたりもするし、本当にみんなそれを楽しんでいる感じです。

社交界のような場。そこにクラシック音楽があるのはとても自然なことに思います。

 

音楽だけを聴きにくるというよりは、その時間と空間自体を楽しんでいるように見えるのでとても素敵です。

 

しかしみんなドレスアップしなきゃいけないからしているのではなく、ただおしゃれを楽しんでいるので

Tシャツの若者を白い目で見たりしません。

ここが1番の違いかと思います。

 

ドイツ人は基本的にあまり他人の外見に対してずけずけ言う人は少ないです。

太ったとか痩せたとか髪型がどうだとか服装がどうだとかそういうこと。

 

ドレスアップしている人たちは自分たちが楽しいからしているだけで、他の観客にもそうあるべきだというような考えはありません。

 

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本当に演奏だけを聴きに来る人

例えば音大生などの、本当に演奏が聴きたい若者。

みんな大抵は大学で練習して夜にその足で演奏会へ向かいます。そんなわけで本当に普段着です。夏はみんなTシャツ短パンサンダルです。

 

でも彼らは家に帰って着替えるよりも練習する時間を取るだろうし、目的は演奏を聴くこと。

演奏を聴いてすぐにホールをでて安い居酒屋でその日の演奏だったり指揮者だったりの話をするわけなので、正装する必要がありせん。

 

それに対して誰も何も思わないと思います。

 

僕もベルリンフィル×ラトルの演奏会にTシャツとサンダルで行ったことも普通にありましたが、怪訝な顔をされたことは特にありません。(気づいてないだけかも)

他人に干渉しないところもドイツのいいところかなと思います。

 

クラシックの演奏会は好きな服装でいい

クラシック演奏会という場に非日常を感じたいのならバッチリおしゃれして着た方が楽しめると思いますし、

思い立った時にラフな服装でふらっと聴きに行くのももちろん良いと思います。

 

自分が演奏会を楽しむ

大事なことは

こうあるべきだ

というような自分の勝手な価値観を他人に押し付けず自分が演奏会という空間を楽しむことかと思います。

 

いきなり行きたくなったけど、この服じゃ…

という人は気にせず行ってみてほしいですし

ラフな格好でしかいったことないや

という人は一度すごくおしゃれして行ってみたらいいと思います。

 

みなさん演奏会楽しんでくださいね〜!

 

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全てを当時の楽器で演奏する古楽器オーケストラ Orchestre Révolutionnaire et Romantique

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Orchestre Révolutionnaire et Romantique

Eroica という映画をご存知でしょうか。ベートーヴェンが交響曲第三番「英雄」を初演した時を描いた作品なのですが、他の映画との違いは

・映画自体がほとんど演奏のみ

・プロの奏者が演者として本当に映画の中で演奏している

というところです。

というのも

オーケストル・レヴォルーショネル・エ・ロマンティック(革命的ロマンティックオーケストラ以下ORR)というこのオーケストラ

はすべて当時演奏されていた楽器で演奏するんです。


Beethoven's Eroica - A film by Simon Cellan Jones - BBC 2003 (HD 1080p)

 

 

 ピリオド楽器とは

楽器というのはもちろん最初から現在使われていたものというわけではなく、改良が繰り返されてようやく今の形があります。もちろん楽器が不完全な分奏者がコントロールしなければならない部分がたくさんあるのですが、その分モダンでは絶対にでない響きがします。

例えばトランペットならバルブも何もついていないナチュラルトランペット。

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ORRというオーケストラはすべてをピリオド楽器とその演奏スタイルで演奏するというポリシーの元1989年にJ.Gardinerによって創立されました。

 

指揮者って何のためにいるの?違いあるの?という人へ。指揮者の存在理由と演奏の違い - あうすどいちゅらんと

ORRによるベートヴェンの交響曲

もっとも評価が高いのがベートーヴェンの交響曲全集で、他のオーケストラにはない推進力とパワーのある演奏です。

テンポが現在の常識的なものよりもずいぶん速いのですが、恐らくベートーヴェンが指定したメトロノームの速さで演奏していると思われます。

楽譜に書いてあるテンポの数字はちょうどその時代に発明されたメトロノームのものをベートヴェン自身が書いたと言われていますが、

そのテンポがかなり速いのでメトロノームが壊れていたのではないかとか不正確だったのではないかと言われています。

そしていままでは大抵ゆっくり演奏されてきました。

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2015年のベルリンフィルのベートーヴェン全曲演奏会でもこれに近いテンポで演奏されていました。

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この演奏はベルリンで聴いたのですが、やたらと速いなーという印象でした。


ちなみにゆっくりで一般的な演奏はこちら


交響曲第3番《英雄》(ベートーヴェン)

でもORRの演奏は単にテンポが速いと感じることなく、音楽の持つエネルギーでどんどん前へ行っている感じがして録音なのに衝撃的でした。

ぜひ他の曲も聴いてみてください!!

 運命

Beethoven: Symphony no. 5 in C minor op. 67, Gardiner, ORR - YouTube

 ベト7

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 第九

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ブラームス

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この冒頭のホルンw

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ピリオド楽器でベルリオーズの幻想交響曲

古典だけではなくロマン派の曲も当時の楽器で演奏しています。

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 チューバの原型である

セルパン

「serupan」の画像検索結果

サックスにマウスピースを付けたような同じくチューバの前身オフィクレイド

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トランペットもナチュラルトランペットとコルネットが混在しています。

木管楽器ももちろん当時の楽器です。

 

歴史楽器に興味をお持ちの方はこちらも読んでみてください。

 

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ORRのベートーヴェン

 

 

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