Orchestre Révolutionnaire et Romantique
Eroica という映画をご存知でしょうか。ベートーヴェンが交響曲第三番「英雄」を初演した時を描いた作品なのですが、他の映画との違いは
・映画自体がほとんど演奏のみ
・プロの奏者が演者として本当に映画の中で演奏している
というところです。
というのも
オーケストル・レヴォルーショネル・エ・ロマンティック(革命的ロマンティックオーケストラ以下ORR)というこのオーケストラ
はすべて当時演奏されていた楽器で演奏するんです。
Beethoven's Eroica - A film by Simon Cellan Jones - BBC 2003 (HD 1080p)
ピリオド楽器とは
楽器というのはもちろん最初から現在使われていたものというわけではなく、改良が繰り返されてようやく今の形があります。もちろん楽器が不完全な分奏者がコントロールしなければならない部分がたくさんあるのですが、その分モダンでは絶対にでない響きがします。
例えばトランペットならバルブも何もついていないナチュラルトランペット。
ORRというオーケストラはすべてをピリオド楽器とその演奏スタイルで演奏するというポリシーの元1989年にJ.Gardinerによって創立されました。
指揮者って何のためにいるの?違いあるの?という人へ。指揮者の存在理由と演奏の違い - あうすどいちゅらんと
ORRによるベートヴェンの交響曲
もっとも評価が高いのがベートーヴェンの交響曲全集で、他のオーケストラにはない推進力とパワーのある演奏です。
テンポが現在の常識的なものよりもずいぶん速いのですが、恐らくベートーヴェンが指定したメトロノームの速さで演奏していると思われます。
楽譜に書いてあるテンポの数字はちょうどその時代に発明されたメトロノームのものをベートヴェン自身が書いたと言われていますが、
そのテンポがかなり速いのでメトロノームが壊れていたのではないかとか不正確だったのではないかと言われています。
そしていままでは大抵ゆっくり演奏されてきました。
2015年のベルリンフィルのベートーヴェン全曲演奏会でもこれに近いテンポで演奏されていました。
この演奏はベルリンで聴いたのですが、やたらと速いなーという印象でした。
ちなみにゆっくりで一般的な演奏はこちら
でもORRの演奏は単にテンポが速いと感じることなく、音楽の持つエネルギーでどんどん前へ行っている感じがして録音なのに衝撃的でした。
ぜひ他の曲も聴いてみてください!!
運命
Beethoven: Symphony no. 5 in C minor op. 67, Gardiner, ORR - YouTube
ベト7
第九
ブラームス
この冒頭のホルンw
ピリオド楽器でベルリオーズの幻想交響曲
古典だけではなくロマン派の曲も当時の楽器で演奏しています。
チューバの原型である
セルパン
サックスにマウスピースを付けたような同じくチューバの前身オフィクレイド
トランペットもナチュラルトランペットとコルネットが混在しています。
木管楽器ももちろん当時の楽器です。
歴史楽器に興味をお持ちの方はこちらも読んでみてください。
ORRのベートーヴェン