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あうすどいちゅらんと

ドイツの音大でトランペットを勉強中の齋藤友亨のブログ

バロックトランペットでブランデンブルク協奏曲2番

ブランデンブルグ協奏曲第2番

タイトルがほぼカタカナで意味不明だと思いますが、ブランデンブルク協奏曲というのは有名なJ.S.Bachが作曲した小さな室内楽曲です。

この曲はとにかく音がむちゃくちゃ高いのです。金管楽器をやられていない方にはわからない感覚だと思いますが、まあとにかくずーっと高い音を正確に出し続けることはとても難しいことなのです。

こちらがモダントランペットでの演奏。モーリス・アンドレという20世紀の伝説的名手で、このようなバロックの名曲たちを現代に蘇らせることに貢献した人物。

 

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まあ彼の演奏を聴いてしまうと、

「トランペットの高音は難しい」

というイメージは全くわきませんね。笑

上手な人はいとも簡単に吹いてしまうわけです。

 

これをバロックトランペットで

僕の先生であるHannes Ruxの先生であるFriedemann Immerの演奏です。

www.youtube.com

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Friedemann Immer

1948年生まれ。Freiburger Barockorchester, dem Concentus Musicus Wien, der Akademie für Alte Musik Berlin, la Stagione Frankfurt, der Academy of Ancient Music, Boston Baroque, Aston Magna Boston などの世界中の著名なオーケストラと共演。もっとも著名なバロックトランペット奏者、教育者の一人。ケルン音楽大学とアムステルダム音楽院で教鞭をとる。

バロックトランペットについてはこちら

 

www.tomotrp.com

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バロックトランペットは現代のバルブシステム発明前の楽器であるただの金属の管のナチュラルトランペットに、リコーダーのような音孔を開けたものなのです。

音孔があると音程を調節できるので格段に楽なのですが、ナチュラルトランペットが吹かれていた当時は孔はありませんでした。

それは禁じられていたことで、トランぺットがいかに封建的な楽器だったのかをうかがわせます。

 

しかし現代では、あまりにも演奏が困難なためドイツではほとんど吹かれておらず基本的には音孔付きのバロックトランペットで演奏されています。

 

とは言え孔があっても演奏が困難なことには変わりありませんが彼は本当にリコーダーかのように吹いてしまいます…

でもモダンとはまた違うほかの楽器と混ざり合う優しい音色ですね。

 

それでもナチュラルトランペットで!

この曲を本当に当時吹かれていたままを再現する。というポリシーの元に世界で活躍しているナチュラルトランペット奏者

Jean François Madeuf

南フランスのリヨン出身。国立リヨン音楽大学でピエール・デュトに師事。モダントランペットでNizzaのオーケストラで演奏、その後エドワード・タールにバロックトランペットを師事し、世界中で演奏活動を行う。

 

僕の先生や、どの人も口をそろえて

「彼は特別だ。音孔無しでは普通は演奏不可能」といいます。

そのくらい現代のオンリーワンなナチュラルトランペット奏者なのです!

 

そんな彼のブランデンブルグ協奏曲がこちら

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構え方

他の二人と大きく異なるのは構え方ですね。当時はトランペットは方で構えてもう片方は腰に当てるというスタイルでした。

 

多くの絵画にもそのように描かれています。こんな感じ

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ちなみにこれはエドワード・タール著のバロックトランペット教本です。

ヨーロッパのお城や教会に行くと天使の像がたくさんありますが、ほとんどがトランペットを持っています。トランペットは「天使の声」と呼ばれていたとも言います。

※余談ですが、モーリス・アンドレが亡くなった時に「彼を天国で迎える天使は迎えのトランペットを吹くことにひどく緊張するに違いない」というジョークがはやりました。笑

 

彼の全てナチュラルトランペット吹くという活動で、日本が世界に誇るバロックオーケストラバッハ・コレギウム・ジャパンでバッハのロ短調ミサも演奏しています。

クリスマスオラトリオを演奏している動画もあります。

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日本では

日本でもオーケストラ・リベラ・クラシカなどのバロックオーケストラや、山形交響楽団などでナチュラルトランペットが取り入れられています。

僕の小学生の頃からの師匠、神代修先生はリベラクラシカで演奏されています。

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のだめでおなじみベートーヴェンの7番です。とにかくすばらしい…

ベートーヴェンはこのトランペットのサウンドをイメージして書いていたわけですね。モダンで吹くときもこのイメージを持つべきだと思います。

 

神代先生はバーゼルでエドワード・タールの元で勉強されており、「ラ・トロンバの会」というナチュラルトランペットの勉強会を月に一度新宿ドルチェ楽器でされています。

 

先生がちょうど留学からお帰りになったばかりの頃に初めてレッスンを見学させていただき、その時に「これ吹いてみるか?」と先生にナチュラルトランペットを渡されて、ブーって小学生な音を出したのをすごくよく覚えています。思えばあれが先生の前で初めて出した音だったかもしれません…。

 

先生からトランペットの起源についてのお話を伺ったり、たまに楽器を吹かせていただくことをあったので古楽器に対する興味はずっとありました。

 

それで今偶然にも専門の先生の元でバロックトランペットを勉強できていることをとても幸せに思います。

 

まだまだ日本ではなじみの薄い古楽ですが、今後良さを伝えていける活動ができたらいいなと思っています。