しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

【改造】金管楽器修理調整 浅香工房でシルキー3番管のトリガーの改造と調整

浅香工房でシルキーのピッコロトランペットのオートトリガーの取り付け

茅ケ崎の金管楽器修理調整の浅香工房さんに改造と調整をお願いしてきました。

 

神奈川県茅ケ崎市にある金管楽器の修理を専門的に対応する修理工房です。

ピストンや抜き差し、スライドなど各部調整承ります。

また部品製作を必要とする改造にも対応可能ですのでご相談下さい。

​修理のほかにも演奏者に合わせた楽器のカスタマイズも承ります。

管楽器修理 | 神奈川県藤沢市 | 神奈川県茅ケ崎市 | 金管楽器修理調整 浅香工房

 

シルキーのピッコロトランペットの3番管のトリガー


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シルキーは3番管にトリガーもリングもついていないので替え指を使うしかないのですが、レバー式のオートトリガーを制作していらっしゃるということだったので依頼しました。


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youtu.be

写真で見るように、管についている部分が少ないので

吹奏感の変化はほとんどありませんでした。

 

替え指を考えなくていいので123番を使えるのがとても楽です!

レバーにも金メッキがかかっているのがうれしいです。

 

B管の調整

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B管は3年半一度も調整したことがなかったので洗浄と凹だしをお願いしました。

ついでに3番管の棒をアルティザンの長いものに交換していただき、下のEsが簡単にだせるようになり快適です。カルメンが吹きやすい…。

 

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中も新品のようにきれいになり、ほかの楽器店ではハンダをとらないと修理できないと言われたU字管もそのまま直していただけました!!

 

そして楽器も弓なりに歪んでいたらしく、そちらも調整していただけました。

 

全く別の楽器のように吹きやすくなりびっくりです!!ピストンも快適になりました。

 

フリューゲルホルンのマウスピースの改造

僕はドイツで買った1960年代製のアンティークのクルトワを使っているのですが、シャンクの形が特殊でどのマウスピースもちゃんとハマらず…

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一応バックは入りはしたのですがガタガタしてしまい、音も少しこもるし音程も難しかったのでマウスピースが合うように削っていただきました。

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ちゃんとハマるようになり、音も音程も良くなりました。

 

これからは帰国の度に調整していただこうと思います!

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【古楽】おすすめのバロックトランペット奏者を紹介する【クラシック】

https://www.instagram.com/p/BjRfuZahUm_/

バロック(ナチュラル)トランペットとは

バロックトランペットとは現在のようなバルブが発明される以前に(発明されてからもしばらくの間)演奏されていたトランペットで

管の長さは現代のものの2倍、何もついていない唇だけで全てを演奏する楽器です(と言うと語弊がありますが)

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このトランペットは自然倍音しか出すことができないので、音階を吹くには高音域を出すしかありません。

というわけでピッコロトランペットで吹く音域を、4倍の長さの楽器でバルブ無しで吹いていたんですね。

 

というわけで訓練すれば誰でもそこそこ演奏できた楽器ではなく

Clarinnoと呼ばれたこの音域を演奏できた奏者はごくわずかだったと言われています。

 

そのため特別に高い給料が払われたり、そもそも勉強できるのが貴族だけだったり。

 

そんなトランペットは、高音域のメロディー楽器としてバロック期に栄華を極めました。

神々しく華やかな音色、音量もでるので花形でした。

バロックトランペットでブランデンブルク協奏曲2番 - あうすどいちゅらんと

 

この頃には王族などの来客や、とにかく重要な人物のための音楽にトランペットが用いられました。

それもファンファーレ的なものだけでなく、トランペット1本とその他の楽器という形も。

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そして20世紀になり、Edward TarrやFriedemann Immerといった人々が再びこの楽器の良さを世の中に広めました。

おすすめの著名なバロックトランペット奏者を紹介していきたいと思います。

 

 

Friedemann Immer フリーデマン・イマー

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Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047 (Freiburger Barockorchester)

1948年生まれ。ドイツのバロックトランペット界のパイオニア的な人で、3つ穴トランペットの開発やレパートリーの再発見など大きな影響を残しています。

どんなに高い音でもいとも簡単に出してしまうすごいプレイヤー。

 

友達がマスタークラスに行ったとき

「おれの音出しはこれだ!」といって

D管でハイDを5回くらい吹いて

「これで十分」

みたいな感じだったそうな。笑

 

僕の先生の先生でもあります。

CD↓

Trompetenkonzerte des italienischen Barock

 

Jean-François Madeuf ジャン・フランソワ・マドゥーフ

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 バッハコレギウムジャパンのメンバーとして日本でもおなじみになってきたマドゥーフは穴の空いていない本当の”ナチュラル”トランペットを演奏している数少ない奏者です。

多分穴無しのトランペットでブランデンブルク第2番を吹けるのは世界でも彼だけだと思います。

 

穴が無いと何が難しいかと言いますと、自然倍音ででる音程のずれた音を口だけで直さなければならないところです。

ファの音は1/4音ほど高くなり、ラの音は1/4音ほど低くなり

それを音を出す瞬間に変えるという神業です。全ての音が隣り合っているので、低めにファを吹こうとしたらミが出てしまうのです!!

 

しかし当時は穴が無いトランペットで演奏されていた(と言われている)ということで、それを極めているんですね…。


Bach BWV1047-3

CD↓

テレマン : トランペットとホルンのための協奏曲集 (Telemann : Trumpet & Horn Concertos / Jean-Francois | Pierre-Yves Madeuf | La Petite Bande | Sigiswald Kuijken) [CD] [輸入盤] [日本語帯・解説付]

 

 レッスンうけました!

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Hannes Rux ハンネス・ルックス

 

僕がヴュルツブルク音大で習っているHannes Rux教授は、ドイツで一番演奏しているのではないかというほどあちこちで演奏しています。

初めてレッスンで演奏を聴いた時は衝撃的でした。

こんなにいい音とこんな豊かな音楽があるかと…。

 

たまたまこんなすごい先生に副科で習えて本当に幸運です。

 

テレマンのソナタ


G.PH. TELEMANN: Trumpet Sonata in D major TWV 44:1, La Stagione Frankfurt

 

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 CD

Trumpet Concerto in D Major, TWV 51:D7: I. Adagio

Susan Williams スーザン・ウィリアムス

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ブレーメン芸術大学、王立デン・ハーグ音大の教授のオーストラリア人です。


Susan Williams "Anche virtu e belleza" Martinez de la Roca classic baroque trumpet

女性らしくとても軽くきれいに演奏されます。

人柄もフレンドリーで素晴らしい先生。

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Patrick Henrichs パトリック・ヘンリヒス


J.S. Bach - Cantata BWV 90 Es reisset euch ein schrecklich Ende | 3 Aria (J. S. Bach Foundation)

トロッシンゲン音大の教授で、バッハカンタータなどの録音があります。

レッスンを受けたことがありますがとても分かりやすくて人間的にもパワフルです。

 

 

Niklas Eklund ニクラス・エクルンド

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スウェーデン出身の最も有名なソリスト言っても過言ではないスター。

ボー・ニルソン、ピエール・ティボーにモダントランペットを師事し、バーゼル交響楽団首席に就任。

同時にバーゼル・スコラ・カントゥルムでエドワード・タールに師事し、1996年にアルテンブルク国際バロック・トランペット・コンクールで優勝。

それからバロックトランペットのソリストとして活動するようになった。

 


Michael Haydn - Trumpet Concerto No.2 in C-major

CD

バロック・トランペットの技巧 第1集

Digital Booklet: Baroque Trumpet (The Art Of The), Vol. 2

 

Alison Balsom アリソン・バルサム

言わずと知れたモダンのスーパーソリスト。

彼女は積極的にバロックトランペットを演奏していてCDも出しているんですがこれが本当に素晴らしいです。

特にこのカウンターテナーとのCDは最高です。


Alison Balsom | Sound The Trumpet | Eternal Source of Light Divine

このCDです!

Sound the Trumpet: Royal Music

 

 

Reinhold Friedrich ラインホルト・フリードリヒ

Chamber Music (Old English)

CD↑

フリードリヒもモダンの超有名人ですが、彼もバロックトランペットを演奏してCDも出しています。

彼の素晴らしい音楽性はバロックトランペットでもさらに発揮されていてとても好きです。Fingerなどのソナタが収録されています。

 

古楽のよさ

古楽ってものすごくマニアックな世界に感じるかもしれませんが、演奏はとても自由で聴いていても演奏していても楽しいです。

作曲した人がそのまま演奏していたころの音楽は、楽譜に書いてあることがとても少なく(強弱やアーティキュレーションもほぼ書いていない)その分音楽家に任されています。

作曲家から音楽かへの尊敬も感じますし、”再現芸術”じゃないんだと思えます。

即興も多いし、通奏低音だけが書いてあって後は奏者に任せるということもあります。

 

シンプルなだけに自由

って感じです。

 

日本でも少しずつ良さが知られていけばいいなと思います。そのために色んな記事を書きます!!

全てを当時の楽器で演奏する古楽器オーケストラ Orchestre Révolutionnaire et Romantique - あうすどいちゅらんと

 この演奏聴いてみてください。最高


Beethoven: Symphony no. 3 in E-flat major ("Eroica"), Gardiner, ORR

 

トランペットのこと

毎年夏に逗子で金管アンサンブルの演奏会をしています!ぜひ読んでください。

 

www.tomotrp.com

 

おすすめのトランペット奏者を紹介していく クラシック - あうすどいちゅらんと

【ビックバンド】ハイトーンキュインキュインのおすすめのトランペット奏者 - あうすどいちゅらんと

トランペットがかっこいいオーケストラ曲を紹介する - あうすどいちゅらんと

【吹奏楽】トランペットがかっこいい吹奏楽曲を貼ってく - あうすどいちゅらんと

呼吸には2つのタイプがある?生年月日でわかる "月"タイプと"太陽"タイプ

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吐く"太陽タイプ"と吸う"月タイプ"

少し前からドイツでは有名になって、管楽器奏者はほとんどの人が知っている"呼吸タイプ"。

日本ではあまり知られていないようだったので、説明していきたいと思います。

 

人間には呼吸のタイプというものがあり、

吐くことが得意な太陽タイプ

吸うことが得意なタイプ

に分けられるという考えです。

 

生年月日で調べられるのですが、普段の生活から見分ける方法があるということで

先にそちらを紹介しようと思います。

 

この理論の提唱者が

その人の生まれた時の月と太陽の引力の関係で呼吸タイプが決まるから、生年月日でわかる

と言っています。

 

細かい理論はこちらに載っていますが(ドイツ語) 

klarinette 24 - Tricks: Atemtypen

 

※僕が提唱してるんじゃありません!!!

 

 

 

息を吸うのが得意か吐くのが得意か

普段の生活の中の様々なシチュエーションのなかで息を吸うのか吐くのかということで、常に肺の中に空気が入っているタイプかあまり入っていないタイプかがわかると言われています。

 

・ため息をつくときに吸ってから吐くか、いきなり吐くか

・重い荷物を持ち上げる直前に息を吐くか吸うか

 ・疲れてソファーに座って息をつくときに、吸ってから吐くかいきなり吐くか。

 

 

太陽タイプの人は吐くのが得意

太陽タイプの人は吸おうとしなくても常にある程度の息が入っていると言われています。

何も意識しないでいるときに、吸わなくてもいきなり息が吐ける人

 

常に空気が入っているので吐くことは得意ですが、ゆっくりたくさんの息を吸うことは苦手とされています。

 

勝者の呼吸法 - 横隔膜の使い方をスーパー・アスリートと赤ちゃんに学ぼう! - (ワニブックスPLUS新書)

月タイプは吸うのが得意

月タイプの人は意識していない時に入っている息の量が太陽タイプの人よりも少ないので、短いブレスでいきなり息を吐くのは苦手とされていますが、ゆっくりたくさんの息を吸うことが得意とされています。

 

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(タロットカードいれると胡散臭さがましますね…w)

 

?の場合は生年月日だけで断定できない

生年月日で調べて?がでた場合は生年月日ではどちらか特定することができないらしいです。

上記したような日常の中の呼吸で判断するといいと思います。

 

「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!

著名な管楽器奏者(と指揮者)の呼吸タイプ

 

太陽タイプの奏者

モーリス・アンドレ Tp

アドルフ・ハーセス Tp

セルゲイ・ナカリャコフ Tp

ハンス・ガンジュ Tp

シュテファン・ドール Hr

ラインホルト・フリードリヒ Tp

ミシェル・ベッケ Tb

アーノルド・ジェイコブスTu

ロジャー・ボボ Tu

アルブレヒト・マイヤー Ob 

シュテファン・シュヴァイゲルト Fg 

フランソワ・ルルー Ob

"拍手”をiTunesで150円で販売しているFrançois Leleux(フランソワルルー)の演奏会 - あうすどいちゅらんと

 

クラウディオ・アバド Cond 

小澤征爾 Cond

小澤征爾×ベルリンフィル 聴衆の反応 - あうすどいちゅらんと

リッカルド・ムーティ Cond

シカゴ響&ムーティーがフランクフルトに。 価値観の違い - あうすどいちゅらんと

 

 

月タイプの奏者

ホーカン・ハーデンベルガー Tp

ティモファイ・ドクシツェル Tp

イエルーン・ベルワルツ Tp

ウィントン・マルサリス Tp

アルトゥーロ・サンドヴァル Tp

メイナード・ファーガソン Tp

マイルス・デイビス Tp

ラデク・バボラーク Hr

ジョゼフ・アレシー Tb

サラ・ウィルス Hr

エマニュエル・パユ Fl

 

ダニエル・バレンボイム Cond

ヴァレリー・ゲルギエフ Cond

エリオット・ガーディナーCond

ニコラウス・アーノンクール Cond

 

?タイプ

オーレ・エドワルド・アントンセン Tp

クリスティアン・リンドバーグ Tb

ピエール・ティボー Tb

サイモン・ラトル Cond

 ザビーネ・マイヤー Cl

 

ひたすら生年月日を調べて打ち込むのはちょっと大変でしたが、なかなか興味深いです。

 

ハーセスやアンドレが太陽で、マルサリスがドクシツェルなのもなんとなく納得な気がします。

 

アーノルド・ジェイコブス が太陽というのも納得。

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呼吸タイプを調べられるサイト

その生年月日で呼吸タイプを調べられるサイトがこちらです。↓

Ein-/Ausatmer 

ドイツ語なので一応訳をつけます。

 

最初は北半球生まれか南半球生まれかという質問なので

日本の皆さんは上のNördliche Heimsphäreをクリックしてください。

 

次のページでは生まれ年をクリック。19世紀以前を調べたい場合は19引いていってください

 

次のページでは生まれ月を選びます

Janur           1月

Februar        2月

März            3月

April             4月 

Mai               5月

Juni              6月

Juli               7月

August         8月

September   9月

Oktober       10月

November    11月

Dezember     12月

ドイツ語…

 

 

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自分に合った呼吸

プロの奏者でも、ゆっくり時間をかけて吸って吹く人もいれば短く吸って吹く人もいて様々です。

 

必ずこの吸い方でなければいけないとは考えずに、

吐くのが得意か吸うのが得意かということに注目してみるといいかもしれません。

 

 長く吸ってから吹いてどうも力んでしまうという人や、短く吸うと浅くなってしまったり力が入っていると感じてしまう人はどちらも試してみるといいと思います。

 

世界で活躍するプレイヤーで、ゆっくり吸う人も短く吸う人もいるわけなので、自分の身体が一番心地よく感じることが大事だと思います。


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【古楽】中世のドイツのラッパ吹きはオーボエもヴァイオリンも必修だった【Stadtpfeiffer 】

Stadtpfeiffer シュタットプファイファー

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今回はStadtpfeiffer(シュタットプファイファー)という、14-18世紀のドイツで、街に雇われて演奏していた音楽家についての講義なども含めた講習会でした。

シュタットプファイファーの主な仕事は要人の来訪知らせる音楽や時報のトランペット、火事の知らせなども含まれていました。

結婚式やお祭りなどのイベントではさらに追加のギャラがでたんだそうな。

そのような街に雇われている公務員的な職業だったんだそうです。

 

それは現在もドイツにたくさん州立のオーケストラがある理由の一つです。

このシュタットプファイファーという音楽組織が拡大してシュターツカペレになっていきました。(ゲバントハウスライプツィヒ、シュターツカペレ・ドレスデンなど)

 

ちなみにバッハもStadtpfeifferです。

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シュタットプファイファーは様々な楽器を演奏しなければならなかった

シュタットプファイファーは基本的に5種類以上の楽器を演奏できなければならず、オーディションの曲が今も残っています。

 

トランペット→オーボエ→歌→トロンボーン→ヴァイオリン

といった順番で、区切りなくすぐに持ち替えて演奏しなければならなかったそうです。

ちょっと音を出したりすることもなく連続です。

 

そしてトランペットやオーボエは歯が無くなると吹けなくなってしまうので

40代くらいになったら歯がないという理由から

”じゃあヴァイオリニストになります”という人もいたそうな。笑

 

ことに身体から音の出るトランペットのスペシャリストは重宝されたんだそうです。

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ドイツのトランペット曲がとても難しい理由

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クリスマスオラトリオやロ短調ミサにはHigh DやHigh Eといったとても高い音がとてもプレッシャーのかかるシーンで出てきます。

とっても難しいのです。

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それに比べるとフランスや他国のトランペットはそこまでとんでもなく高い音などは要求されていません。その理由として僕が思うのは(※私見です!!)

 

ドイツは音を外しても処刑はされなかったから。

 

なんじゃないかなーとおもっています。

例えばフランスでは王の御前でトランペットが音を外したら処刑されていたという話が残っているくらいなので、作曲家もトランペット奏者の絶滅を防ぐためにそこまでリスクのある音は書かなかったのではないかと。。。

 

しかしドイツでも

 

うまいトランペット奏者は王宮に仕え、そうでもない奏者は戦場に進軍ラッパ要員として送られた

とも言われています。

 

最高の練習へのモチベーションよね!HAHAHA!

 

とスーザン先生は言っていましたが本当に生死がかかっているわけですもんね、恐ろしい…。

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バロック時代はトランペットの黄金期

 ”昔のトランペット”というと

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こんなやつで、ピストンもキーも何もついていない、ただの真鍮の管です。

ブブゼラや法螺貝と同じとても原始的な楽器。

唇の振動だけで音程を変えて、自然倍音しか出ないので、半音階を吹くことはできません。

 

え、こんなんでメロディー吹けるわけないっしょwww

 

と思うでしょうし、実際古典のオーケストラ作品では基本的にティンパニと同じ動きのシグナル的な位置づけで、メロディーを吹くことはありませんでした。

 

しかし、バロック時代トランペットは一番花形のメロディー楽器だったのです!!

 

先ほどのクリスマスオラトリオもそうですが

非常にメロディックで繊細、そして神々しいシーンで使われる楽器でした。

 

トランペット=神、王

という役割

このようなとても美しいメロディーや


Giuliano Sommerhalder - Telemann Concerto - Baroque trumpet

 

このように木管楽器とアンサンブルしてもよく混ざるという楽器だったのです。


T. G. Albinoni: Concerto for trumpet, 3 oboes, bassoon & b.c. in C major / Symphonia Perusina

こんなとんでもなく難しい曲もありました。


Bach: Brandenburg Concerto No. 2 in F major, BWV 1047 (Freiburger Barockorchester)

 

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 トランペットは色んな事ができる楽器

トランペットには本当にながーーーーい歴史があり

バルブ無しの楽器で室内楽でソロを吹いていたりオーケストラで重要なソロをふいていたこともあれば、シグナル的な役割も長くつとめ、バルブが開発されればメロディー楽器としての地位を取り戻し、オーケストラから、ジャズ、ポピュラー、吹奏楽と全ての花形になりました。

 

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トランペットと一口にいってもたくさんの種類があります。

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トランペットって最高な楽器じゃないですか。

吹奏楽なら花形、ブラスバンドならコンサートマスター、ビックバンドならリーダー、ジャズも花形、オーケストラも古典でもオーケストラを支配する存在、近代ならここぞというところで出てくる一番いいとこどりの立ち位置。

 

トランペット始めましょう!

 

 僕はヴュルツブルクでバロックトランペットを勉強しています。Hannes Rux教授についてはこちらから。

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トランペット関連

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【古楽】Susan Willamsのバロックトランペット・オーボエ・ファゴットの講習会

5月の一週目は教授とクルージングにいって1週間みっちりモダンのトランペットのレッスンを受けながらドイツの歴史やメンタリティを学んできましたが、5/23-26で今度はバロックトランペットのワークショップに行ってきました。

ブレーメン音大とオランダのデン・ハーグ音大の教授であるSusan Williams(スーザン・ウィリアムス)です。

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Susan Williams(スーザン・ウィリアムス)

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オーストラリア出身。オーストラリアでトランペットのキャリアを積んでからヨーロッパへ。

Collegium Vocale Gent, Les Arts, Anima Eterna, Musiciens du Louvre, Al Ayre Espagnol, Les Agremens, Elbipolis, Concerto con Anima und Les Amis de Philippeなどのバロックオーケストラで演奏。

トランペットアンサンブル”Clarini”とバロックオーケストラ”Bachischen Collegium Bremen”を主宰。

現在ブレーメン芸術大学及び王立デン・ハーグ音楽院教授。

 


Susan Williams "Anche virtu e belleza" Martinez de la Roca classic baroque trumpet

 

 

オーボエ・ファゴット・トランペット1本という編成

いまでは意外に感じるかもしれませんが、バロック期には2~3本のオーボエとファゴットと通奏低音のOboe Bandにトランペット1本という編成のレパートリーがたくさん存在します。

 

トランペットとオーボエの音がよく混ざること、さらに1本メロディー楽器としてのトランペットが入ることによってキャラクター付けが強くなることなどがあります。

トランペット=王様、要人、神

という役割だったので、トランペットを1人入れることで華やかさだけではなく、音楽にそのような意味合いを付け加えることができたと考えられます。

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【古楽】中世のドイツのラッパ吹きはオーボエもヴァイオリンも必修だった【Stadtpfeiffer 】 - あうすどいちゅらんと

こちらの演奏は弦楽器が入っていますが、古楽器で演奏されています。

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MolterやHertelなどたくさんの作曲家がこの編成で曲を書いています。30~40局はあるそうです。telemannやFaschも。

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これはトランペットとファゴットのデュオです。

www.youtube.com

あまり知られていないような名曲がたくさんあるんですね。

古楽を勉強することですとても得られるのは、レパートリーが大幅に広がることもあります。当時の楽器を実際に吹いてみることで見えてくる演奏の仕方もありますし、当時の演奏のスタイルやフレージングを勉強することで音楽の表現の幅が大きく広がると思います。

 僕はヴュルツブルクでHannes Rux先生のもとで勉強しています。

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ワークショップの内容

トランペット5本・オーボエ3本・オーボエダカッチャ1本・

ファゴット3本・打楽器

という全員でやるアンサンブルを二曲。

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そしてトランペットは一人一曲コンチェルトを吹かせてもらいました。

僕はGraunというドイツの作曲家のコンチェルト。全く音源もなくてパート譜しかもらっていなかったので初日はよくわかりませんでしたが、とてもいい曲でした。

 

まず全員の曲を合わせてからコンチェルトを全曲やり(全て全員で聴講)、その後はトランペットアンサンブルやデュエットをして、一日の最後に個人レッスン。既にバテバテでしたが。笑

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そんな毎日が3日間続いて、最終日はSchönbeck城というところで演奏会でした。お城といってもとても小さくてかわいらしいところで、海洋博物館のようになっていました。

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しかしとてもいい天気だったのでせっかくだから野外でやろう!ということになり、庭で演奏をすることになりました。

ドイツでは野外演奏をするのにも役所の許可が必要なのでそれには時間がかかりましたが無事に開催することができました!

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このお城はブレーメンの街からは車で15分くらい行った郊外なのですが、それにもかかわらず数十人のお客さんが聴きに来てくれました。

これは本当にドイツならではで、ドイツの好きなところです。

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実はこれが初めてのバロックトランペットのソロの本番でした。

僕がソロを吹き終わったときに指笛を吹いてくれたり、”よかったよ!!”と親指を立てくれるおじさんがいたり、とても嬉しかったです。

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古楽は不完成で演奏がとても難しい楽器を使ってすごくシンプルな音楽をやるので、本当に音楽的なアイデアをもって演奏しないと聞くに耐えない演奏になってしまいます。

モダンよりも音を出すのが難しいはずなのに、バロックトランペットを吹くときのほうが音楽のことだけを考えられていますし、演奏もとても楽しいです。

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Susan Williamsのレッスン

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in natural trumpets 

彼女にとても言われたことは

”more easy" 

というとてもシンプルなことでしたが僕にはすごく助けになりました。

個人レッスンは短い時間でしたが、一緒にアンサンブルやデュエットをしたり、先生が吹いているのを聴いていてとても感じたことは

「ものすごく楽に吹いている」ということでした。

パワーやたくさんの息を使わずに最小のエネルギーでリコーダーのようにHigh Dを吹く先生…。

 

一緒に吹いているうちに僕もどんどん力が抜けていって、オーボエとのアンサンブルも音が混ざるようになっていって不思議でした。

 

”裏声で吹く”という感覚がよくわかった気がしました。

 

フランスバロックのスイングのようにドゥダドゥダ吹くニュアンスだったり、フレーズのとり方も、今勉強していることと基本的には同じスタイルでも、いろんなやり方があるということを知れました。

 

音楽的にも奏法的にもすごく実りのあったワークショップになりました。

 

最後に先生に

「音もとても良いし、何より4日間で毎日どんどん成長していったのが素晴らしかったわ」といってくださったのが嬉しかったです。

 

イタリアでプロで活動している人や、ブレーメンのバロックトランペット専攻の人達とも仲良くなってたくさん話せたのも楽しかったです。

小さな業界なので、これからもどんどんワークショップやマスタークラスに参加していきたいと思います!

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【古楽】Eggerのバロックトランペットを買いにバーゼルへ

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バロックトランペット

 僕は副科でバロックトランペットという古楽器を勉強しています。

ヴュルツブルク音大ではバロックトランペット専門のHannes Rux教授が教えているので何人かの生徒が副科として取っているのと、専攻生も数名います。

 

ヨーロッパにはバロック音楽やルネサンス音楽を当時の楽器で演奏するオーケストラがいくつかあり、専門家がいます。モダンのオーケストラでも金管は古楽器を使うこともあります。

www.tomotrp.com

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www.tomotrp.com

 今までは学校の楽器を使っていたのですが、本格的に勉強したいので楽器を買うことにしました。

 

バロックトランペットのメーカー

バロックトランペットにはいくつかメーカーがあります。

ノイバウアーはドイツのメーカーで歴史があり、大学の楽器もこれです。

www.barocktrompete.com

もう一つはEggerエッガーというスイスのメーカーで、こちらもかなりのシェアをシメています。

www.eggerinstruments.ch

 

それから最近レヒナーもバロックを作り始めているらしく、上2社の半額ほどの価格だそうです。

 

僕は先生もつかっているEggerを買うことにしました。

 

バーゼルにある工房へ

ヨーロッパでは楽器は楽器屋からではなく工房にいって職人さんと作るのが一般的です。

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 今回は先生も一緒に選定に来てくれました。

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 僕の先生はHannes Ruxというこの動画で演奏している人です。ドイツを代表するバロックトランペット奏者でとてもやさしい先生…。


Corelli Concerto grosso op. 6 No IV, 3. Vivace & 4. Allegro - Allegro

 

エッガーのバロックトランペットの種類

エッガーのトランペットは3種類あり、スタンダードというマシーンメイドのモデル(C,Ces,D,Desの替え管)と、オールハンドメイドのヒストリカルというモデル、ヒストリカルのハイクオリティ?のようなモデルがあります。

 

スタンダードとヒストリカルにはハンドメイドとそうでないものの差を感じましたがその上のモデルとは大きな違いは感じられませんでした。

 

先生と一緒に吹き比べても、むしろ普通のヒストリカルが一番いいという事になり、そのままパーツを選んでいきました。

 

バロックトランペットの選定の仕方

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ベルの選定

Anstoss(ベルの横のU字の管)

そこから各替え管の選定。まずはCes管を選びます。

Ces,C管のマウスパイプの選定。

C管の替え管の選定

Des管の替え管・Des,Dのマウスパイプの選定

D管の替え管の選定。

 

それから楽器に巻く紐の色を決めます。先生と同じワインレッドにしました。

 

選んでから仕上がりまでに時間がかかるとのことなので色んな楽器を吹かせてもらいました!

 

 

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ベルリン国立歌劇場ライナー・アウアーバッハ先生のレッスン 基礎・オケスタ

レッスンの内容は専門的なので別記事にしました。

 

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Rainer Auerbach(ライナー・アウアーバッハ)

ザクセン州ツヴィッカウに生まれる。ライプツィヒ音楽歌劇大学を卒業。

卒業と同時にロベルト・シューマンケムニッツフィルハーモニー首席に就任。1979年にベルリン国立歌劇場首席奏者に就任。ロストック音楽歌劇大学講師。

Rainer Auerbach | Staatskapelle Berlin

 

僕が20歳でベルリンにいた時、本当に親身になってたくさんレッスンしてくれた恩師です。

 

今回は基礎とオーケストラスタディを見てもらいました。

呼吸について

「腹式呼吸」のようなものはなく、息を吸って肺が膨らむのに従ってお腹は自然と膨張するがそれはあくまでも結果で、その張りを保とうとすることは力みにつながる。
腹筋は息を出すのに使える筋肉であるが、吸うことに対して使うことはない。
張りを保とうとせずむしろお腹が自然と凹んでいくように腹筋を使うと息の流れが安定する。
息を吐くときは横隔膜(みぞおちや肋骨のまわり)からエネルギーが出ることを意識する。(「ハッ」など短く大声を出す時の動き)
 

シラブルについて

舌の動きを使って音域を操作するという奏法はとても広く知られているのですが、それがあまりうまくいかないこと、日本で津堅先生にお伺いしたところ「シラブルは使わないで口の中を広く保つ方がいい」とアドバイスをいただいたのでそれについてもライナーに聞いてみました。

発音は常に「オ」と広めにとる。特にアジア人はアゴも小さく口内が西洋人に比べて狭いので、舌で「イ」のような発音にすると口の中が狭くなりすぎて息が出ていかず、音が細くなる原因になる。
口の中が狭くなりすぎないようにするのと同時に奥歯を食いしばってしまわないように注意する。常に人差し指を挟めるくらいのスペースを開ける。
 
息を速くするために舌で口を狭くするという考えで、息の速さの前に舌のことを考えてしまうと舌が力む原因になる。
あくまでも速い息を出すことが目的なので、
目的→結果ということを忘れない。
(速い息を出した結果舌が少し上に上がるといったことは良いが、舌をあげて息を速く出そうと考えると違う結果になることが多い。)
 
舌は常にかなり下がった状態にあると意識し、口の中を広く保っていると逆に舌が自由に使えるスペースが増える。
 
アゴの筋肉を解すために1日2分ほど両奥歯にコルクを挟む。
丸めたティッシュを奥歯にはめながら吹いてみて食いしばっていないかチェックする。
ティッシュをとっても同じ開き具合で吹いてみて、その時の音の違いを確認する。
 

息がどの音域でも常に同じ方向に、マウスピースの穴にまっすぐ入るように。

楽器の角度に合わせる。

 

跳躍の練習をする時も常に同じところに息が当たるように吹く。

楽器の角度が音域によって変わるならその角度に合わせた方向に息を出す。


アンブシュアについて

「アンブシュアを支える」という考えをもつと振動体が固くなってしまうので危険。
常に両唇を下げ続けると意識する。
鼻の下を伸ばし続けるようなイメージ。
口角やアゴを支えるように意識すると直接力が入りすぎてしまうので音の柔軟性が失われるが、鼻の下の口輪筋を全体に下げようとすると振動体が固くならない上安定感も増す。
基本的にアンブシュアの状態は同じと考えるが高音にいったときは圧力に負けないように保つことを意識する。振動体が開いてしまわないように注意。

そうやって練習していくうちにアンブシュアは安定してくる。

 

オーケストラスタディ

マーラー 交響曲第5番

最初の3連符は次の音へのアウフタクトと考える。長い音を大事に。

3回目のEまでは全体的にクレッシェンドしていき、4回目でまたpに戻ってまたクレッシェンドし変化をつける。

複付点と16分は弾まず(抜かず)密度を保つ。

次の2拍3連は記譜通りではなくほぼ三連符くらい速く。(楽譜にその指示がある)

音が高くなってくるところでも音楽のダークさは保つ。ここの複付点も抜かず、密度を保つ。高音域の部分はオクターブ下で練習して音のキャラクターやイメージをそのままでオクターブ上げるように。同じ音の太さを目指す。

最後のD→Esはなるべくノーブレスでクレッシェンドする。

最後の3回の三連符は遅くならないで3連符を少し速く吹くくらいにする。

展覧会の絵

最初の4分音符は鐘を鳴らすように吹く。

BFの跳躍の時に狭くならない。裏声のように、でも太い息で。

Asの跳躍も同様に息のスピードだけ意識する。

 

ベルリンで習っていた時代は受験生だったのでオケスタを見てもらったことはなかったので今回ライナーが何度も吹いてくれたのを聴けてとても嬉しかったです。

60歳を超えても全く衰えることのない音質。そしてあんなにものすごい音量で何度でもマーラーが吹けるのは彼が本当に身体に無理のかからない吹き方をしているからなんだなと思いました。

 

受験期はとても不安定だったので怒られてばかりでしたが、

今回は「音がすごくよくなった」と褒めてもらえてよかったです。

2年前に言われてよく理解できなかったことが(ドイツ語的な意味ではなく)いまはもっとかっちりとはまることが多かったのも収穫でした。

またいつでもベルリンにこいよ!といってくれたのでレッスンを受けに行こと思います

 

二人ともすごく疲れた顔をしてる…w

 

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【お譲りします】ロータリー用のマウスピース JK 4D-A2, Breslmair G2 【新品】

おかげさまで両方売れました!

 

ロータリートランペット用のマウスピース

今回の帰国に際してロータリートランペット用のマウスピースの新品をお譲りしたいと思います。

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JK Exclusive トランペット 4D-A2

JKは東ドイツのメーカーで、Ricco Kühnの楽器を買うとついてきます。ですが4D-A2をもともと使っていてかぶってしまったので新品の方をお譲りしようと思います。

JKの4は17.0mmでBachの1Cくらいでしょうか。浅さもそのくらいです。

リムは結構厚めで1Cよりは耐久力があるかなといった感じ。

かなり息がはいるので、ドイツらしいすごく太い音がでます。

アタックも明瞭。

 

Ricco Kühn にもSchagerlにも合うと思います。WeimannとかWillenbergにも!

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1Cとの比較(手前がJK)

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シャンク部に本当に小さな傷がありますが、これは元から付いていて僕がつけたものではありません。

箱付き。

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www.joybrass.co.jp

定価10000円→7000円(新品・送料込み)

 ※売約済み

Breslmair トランペット G2

Breslmairはドイツやオーストリアではもっとも一般的なメーカーで、とても多くのプロが使用しています。

その中でもスタンダードな一体型のタイプのG2です。

リムの大きさはBachの1 1/2Cと同じくらいで、カップは少し深めでスロートも太いです。

1 1/2Cを吹いている人におすすめされるモデル。

 

ウィーンらしいエレガントで深い音がします。

シャガールやレヒナーなどのウィーン系の楽器によく合います。

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1 1/2Cとの比較(右がBreslmair)

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 箱付き。f:id:tomotomotrp:20170723211208j:image

 これは一週間ほどの使用なのでリムなど基本的には新品同様ですがシャンク部分に傷があります。

 

定価20000円→12000円(送料込み)

 ※売約済み

Breslmairの詳細

http://www.yamano-music.co.jp/a/akamon_yamano_music/static/page/shops/pdf/windcrew/brass/breslmair.pdf

 

取引の方法

買い取りを希望の方がいらっしゃいましたらブログのお問い合わせフォームもしくはTwitterのDMでご連絡ください。

 

 

ネット上の取引に不安がある方もいらっしゃると思いますが、購入していただくという旨をお伝えいただいてからFRILにアップロードしますのでそちらを経由していただくので安心だと思います。

FRILなら仲介手数料も無料ですし、カードで匿名の購入もできて、金銭的なトラブルの心配もありません。

 

ご連絡お待ちしています!

 

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トランペットの練習日誌を付けてみてよかったこと

トランペットの練習日誌をつけること

ここ最近弱虫ペダルというロードレースのがちがちのスポーツアニメを見ていたのですが、そこで部長が3年間練習日誌をつけていた的なエピソードがありました。

弱虫ペダル 48 (少年チャンピオン・コミックス)

 

日本の音大受験の前に毎日必ず練習日誌をつけていたことを思い出しました。ありがとう金城主将

 

練習日誌は公開する必要はもちろんないのではてなブログのサブブログで非公開で作りました。

はてなブログProの特典でサブブログが10個作れる!ってやつ、誰がそんなに作るんだろかと思っていましたが、自分のアイデア帳的につかったり日誌として使うにはたくさんあってもいいのかもと。

まあ1つのアカウントじゃなきゃいけないなんてことはありませんが

 

 

練習日誌の内容

日誌の内容は高3の頃にやっていたものよりもより細かいものにしています。

内容は

 

・その日にやった練習の内容

・その練習をした理由と目的

・その練習の中での発見

・うまくいかない場合、なぜうまくいかないかの考察

・練習によってどのような効果があったのか

・どの練習をどのくらいの時間やったのか

・その日の練習の反省点と改善点

・翌日の練習プランを具体的にたてる。(目的をはっきりとさせる)

・どの練習にどの程度の時間を費やすべきなのか考えておく。

 

こういった感じで自分のその日の練習を振り返って発見したことを書き留めておき、どのような練習が必要なのかをよく考えることができます。

 

練習日誌をつけることによってかわること

無駄に吹かなくなる

トランペットは他の弦楽器やピアノなどに比べて音を出せる時間がとても短い楽器です。唇を高い周波数で鳴らすので練習できる時間には限りがあります。

 

1時間吹いて1時間休んでといった感じで合計4-5時間練習することはできますが、無駄に大きい音や高い音を吹いてしまうと練習できる時間は一気に縮まり、1,2時間できちんと吹けなくなってしまうこともありえます。

 

ついつい好きな曲をばーーと吹き続けてバテてしまうなんてことは結構おこりうること。

でもそんな吹き方をしてしまって1日の終わりに日誌で振り返ると

 

え、おれ今日なんにも練習してないじゃん、、、ただ吹いてただけやん、、、

 

と必ず気づきますし、これではいけないということを改めて実感できます。

 

逆に日誌をつけることを意識して、目的をもって具体的な練習をするように自分を持っていけます。

 

ただ流れでクラークやコリンを吹くだけーということがなくなりやすいです。

どんな目的でこれをやってどんな効果があった?

と後から自問した時に何もなかった場合反省できます。

セルフレッスン…

 

 

翌日の計画を具体的に立てやすくなる

自己分析して文章に書き出していると練習の問題点がわかりやすくでてきて自分をかなり客観的にみることができます。

自分の中で考えを整理してから翌日の練習内容を具体的に決められれば無駄のない練習をできるようになれる気がします。

 

トランペットのように長時間練習できない楽器は少ない時間の練習をどれほど価値のある物にするかが全てだと思うのでこれはとてもいい習慣になりそうです。

 

勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)

超一流になるのは才能か努力か?

 

ロータリートランペットを選びにRicco Kühn(リコキューン)のあるザクセン州の工房へ

楽器の選定にRicco Kühnの工房へ

先日書いたとおりにトランペットにはたくさんの種類があり、ドイツではロータリートランペットが必須でオーディションではもちろんB管もC管もロータリーで演奏しなければなりません。

 

そして今回ドイツのザクセン州の、ドレスデンとケムニッツの中間あたりのチェコ国境の小さな町Oederan(エーダーアン)にある工房まで行ってきました。

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ザクセンはここらへんです。ヴュルツブルクはフランクフルトから少し東に行ったところにあります。

 

ヴュルツブルクからだと電車を何度も乗り継いで、たいして遠くないのに5時間半もかかりました…w やばすぎます。笑

 

エーダーアンはこんな感じ。暗い…

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旧東ドイツの南ドイツとはまるで違う雰囲気

ザクセン州に入った瞬間から車窓から見える景色がガラリと変わり、一気に暗い感じになりました。建物はどこか汚い感じがして田舎なのになぜか落書きだらけという…

 

以前ベルリンに住んでいた頃も強く感じていましたが、旧東と旧西では未だに随分雰囲気が違うんだなあと思いました。

南はこんな感じ

https://www.instagram.com/p/BIVI6HcD9lK/

#rothenburg #deutschland #europe #germany #mittelalter #bild #cityscape #ferien #summer #vacation #絵本 #夏休み #ドイツ #ヨーロッパ #ローテンブルク #街並み

https://www.instagram.com/p/BM559Dpjlc1/

 

ヴュルツブルクってやっぱり南ドイツなんだなと改めて思いました。

 

リコキューンとは

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ドレスデン国立歌劇場のトランペットセクションを中心に世界的に有名なメーカーで、ここ数年ドイツで人気急上昇中です。

ドレスデン国立歌劇場は伝統的に使い続けていたヘッケルというメーカーの後継に選ばれたその伝統を継ぐメーカー。

 

マイスターによると、2015年までは年間に80~90本ほど制作していたそうなのですが、2016年は年間180本ほど制作して販売したそうです。2日に1本という…

そのため去年は注文から半年ほど待たなければいけなかったそうなのですが、今年からは2~3ヶ月で済むそうです。

 

そして楽器を2本ずつにしぼり、4月に4本送ってくれることになりました。そこで2周間ほどさらに試してから購入です。

お金を払う前に4本も送ってもらうという信頼でしか成り立たない日本では考えられないことです!

日本に持ち逃げされたらどうするんだろうという…

 

リコキューンの工房

そしてマイスターが駅までBMWで迎えに来てくれたのですぐに工房へ。

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外観は本当に家って感じです。

ちなみに2017年の9月からエーダーアンの駅前に工房を移転するそうです。

 

試奏室的なところに案内してもらって楽器を吹きました。

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こんな感じでB管とC管は色んなモデルと組み合わせで6本ずつ用意してもらえました。

 

T053 Professional

モデルはT053 Professional という”Deutscher Musikinstrumentenpreis” (ドイツ楽器賞?)という賞を2010年と2015年に受賞した、一番メジャーなモデル。

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これには大きいベルのタイプと小さなベルのタイプのものがありベルが小さいものはコントロールが効きやすく室内楽向けな感じで、ベルが大きいものはより重厚な音がするオーケストラ向けとの説明でした。

 

大きいベルのものだと確かに少し重さもあって音も重厚ですが、アタックはかなり明瞭で華やかな音がします。

小さいベルだとやはり音が軽すぎる感じがしました。

 

B管はC(B)クラッペンが、C管はCとAのクラッペンが標準装備です。

T063 Exclisive

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これは一番最新型のモデルで、今まではzirnbauer というメーカーのロータリーバルブを使っていましたが(旧タイプのシャガールやドーヴィッツも)このモデルからは自社製のロータリーバルブが搭載されています。

ロータリー自体も少し大きく、ロータリー同士のつなぎ目の管の部分が少し丸くなっています。

 

C管にもB管にもこのモデルはでています。

 

Professionalに比べると軽い感じがして、ベルも少し小さめですが息は流れやすく、小さいベルのProfessionalと大きいベルのProfessionalの中間的な感じでした。

 

発売からまだ日は経っていませんが一番の売れ筋だそうです。

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リコキューン全体的な特徴

とにかく吹きやすく、他のメーカーとは違い

 

マウスパイプのシャンクがバックなどのスタンダードのものと同じため、そのままのマウスピースで吹けます。

ということでピストンからの持ち替えにも全然ストレスはありません。 

 

音程も良くてアタックもとてもクリアです。

音はシャガールやレヒナーなどのオーストリア系の楽器とは違いもっとブリラントな華やかな感じ。

でもピストンの音とは違った重厚さを持つといった感じ。

 

 参考としてドレスデン国立歌劇場を聴いてみてください。

 

アルペン交響曲

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ブルックナー交響曲第4番

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