Erb教授とデンマークへヨットクルージング旅行
Würzburgのトランペット科の教授であるHelmut Erb先生は1945年生まれで今年73歳にもかかわらずヨットが趣味です。30代の頃からずっとしているらしく、20年ほど前に自分の船を購入されました。(うん千万円…。)
先生はこの歳でまだアルチュニアンの協奏曲を吹くわヨットはやるわでとんでもなく元気でいらっしゃいます。笑
先生についてはこちらから↓
そんなエルプ先生が突然「来週から一週間クルージングへいかないか」と誘ってくださいました。笑 普通に授業はいくつかあったのですが、
「エルプ教授とクルージングに行くことになりまして…。」と言ったら、っどの先生も
「それならしょうがない」とあっさり許してくれました。笑
バルト海からデンマークの島々を回る旅行
船はドイツ最北端のKielという街の近くのKappelnという街で、入江になっている歴史ある港町です。先生はここの港に常に船を停泊させています。(ヴュルツブルクから電車で6時間)
クルーザーは10m以上あり、4人くらいは泊まることができて、キッチンもシャワーもトイレもついているのでとても快適でした。
今回の航海プランはこのようにフュン島を一周するというものでした。
6日間の航海。
ヨットクルーザーの速度は歩くと走るの間くらい
港から海に出るまでまでは結構時間がかかり、出口には勝鬨橋のように開閉する橋があります!
雲ひとつないようないい天気が続きましたが風はなかったので帆走はできず笑 基本的にモーターで走りました。
風があれば6ノットほど、でも基本的には4か5ノットでした。1ノットは時速1.8kmくらいなので時速7キロとかでした。
歩くのと走るの境目が時速8Kmくらいと言われているので、常に早歩き程度のスピードで走っていたのですw
風がなくなるともっと遅くなるので、止まっているのではないかと思うほど笑
「ヨットは遅くて高くて疲れて危ない趣味」
と先生は豪快に笑っていました。w
先生とデンマークにいってきます! pic.twitter.com/04BONN4aVx
— 齋藤友亨 Tomoyuki Saito (@tomotrp) May 6, 2018
初めて話したデンマーク人のブラックジョーク
港に船をとめようとしたら、いかにも船乗りっぽいデンマーク人のおじさんが手伝ってくれました。
「おれは昔ハンブルクに住んでいたからドイツ語ができるんだ!これはここらじゃ普通じゃねえぜ、ガッハッハ!」みたいなことを言ってからすぐに先生に向かって
”Arbeit macht frei!!"(働けば自由になる!というナチスのスローガン)
と言ってきて僕はドン引きましたが、先生は笑いながら
Hahaha, Manchmal!(たまにね)
と返していてすごいなと思いました。
そのおじさんがいなくなったあと先生はすぐに僕に
「ほれみろ、これがデンマーク人だ笑」と言ってきました。
もちろんその後あったデンマーク人はみんな親切でしたし、その人は多分酔っ払ってもいたし例外なことはわかっていましたが。
こういった憎しみ合いや皮肉の言い合いってあと何十年やってるんだろうなと思いました。
僕もベルリンで道を歩いていたら小学生くらいの子どもにいきなり
「パール・ハーバー!!!」
と叫ばれたことがあります。どんな教育を受けているんだろうと悲しい気持ちになりました。
やはり海外にいると色んなことを思います。特に戦争の話。
”日本で知らない外国人にHelloと挨拶するのが失礼”なんておかしい - あうすどいちゅらんと
デンマークの島 Lageland
デンマーク語はドイツ語とよく似ていて、北ドイツの方言とも言えるくらいなんだとか。
Langeというのはドイツ語でも長いという意味で、Landはそのままランドです。
長い国島
という名前のとおり細長ーい島でした。
そこには入れる海岸があり、初めてバルト海に入りました。
僕と先生と伴奏の先生の3人以外誰もいない海岸…。
逗子出身の僕としては海岸はなんだかとても落ち着きました。逗子にいるときはわざわざ海に行ったりしませんでしたが、海岸にぼーっと座っているとなんだかとても癒やされるような不思議な感覚でした。日本に帰って疲れたときは逗子海岸に行ってみようかなと思いました。
本当に波の音しか聞こえない静かなところでした。
クルージング旅行の道中はすべて自炊
ドイツは食料品の物価がとても安いので、ドイツのスーパーで1週間分の食料を買い込み、毎日船のキッチンで自炊しました。デンマークは物価が高いので毎日外食していたらとんでもなくお金がかかるんだとか。
毎日ドイツ式のソーセージやチーズのガッツリした朝ごはんとドイツ料理でした。おいしかったなー。お昼にはサラミやハムなどをつまみつつ
世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方
船上レッスン
先生からは本当にたくさんのお話を聞きました。ゲルマン民族の歴史や第二次大戦後のトランペット史、チェルビダッケやフルトベングラーの話、先生の先生であるReinhold lösch氏の伝説、先生がオーディションを受けたときの話などなど…。
トランペットの話をしていると先生に突然
”マイスタージンガー吹いてみろ!!”と言われて突然吹くといった感じでした。笑
初日は今の問題点など端的に教えていただいて、翌日からは先生が何十年も毎日続けてらっしゃったロングトーンの練習を一緒にしたりしました。
色んなことをいっぺんに教えていただいて少し大変でしたが、簡単に腑に落ちることが多く、1週間でも成長が感じられました。
ドイツ人のメンタリティと音楽と、トランペットの奏法、トランペット奏者が持つべき精神や考え方、ヨットの帆の操作も特殊な縄の結び方まで本当に色んなことを教えていただき学びました。
そして先生もとても好奇心旺盛で博学な方なので、日本人のメンタリティや文化、歴史についてもたくさん疑問を持っていらっしゃたのでドイツ語での説明は難しかったですがなるべくお伝えしました。
そうすると、やはり知らないことがあまりにも多いなあと改めて思ったので、ヨーロッパの歴史も日本の歴史ももっともっと勉強しようと決めました。
デンマークの教育を支える「声の文化」: オラリティに根ざした教育理念
北欧二か国目の感想
以前フィンランドを旅行したことがあるので二か国目の北欧でした。
北欧は
・とにかくクリーンな感じ
・自然がとても豊かで空気がきれい
・物価が高い
・食べ物はそんなにおいしくはない
・西欧ともまた少し違った雰囲気
・田舎だけどちゃんとしてる感じ
でした!
↑こうは書きましたが外食すると小さな鮭のソテー二枚で2000円とかします。笑 ドイツは量がとても多いのでこれはびびります。
今回デンマークでは外食しませんで、先生曰くフィンランドと同じような感じとのこと。
ちなみにドイツは物価安いです。
ここにフィンランドの写真を挙げていますが、やはりなにか共通した雰囲気があります。でも日本から旅行にいくならフィンランドの方が見るところあるかなーと思います!