ブリヤート劇場に就職して2か月目だった10月は本当に本番が多く、ほとんど毎日のようにリハーサルか公演がありました。
これからは毎月月末に1か月の公演の振り返りの記事を書いていきたいと思います。
目次
- 10/5 オペラ ガラコンサート
- 10/9 バレエガラコンサート
- 10/11 麗しのアンガラ
- 10/12 椿姫
- 10/16 蝶々夫人
- 10/18 白鳥の湖
- 10/19 アレコ
- 10/23 バレエ1001夜物語
- 10/27 カルメン
- 11月はバレエ”真夏の夜の夢”の初演
10/5 オペラ ガラコンサート
ブリヤートの音楽をメインとしたオペラのガラコンサートで、ピアノ伴奏で民族音楽を歌ったり、ブリヤートが舞台のオペラを演奏したり。
後半は蝶々夫人やバフチサライの泉、カルメンなども演奏しました。
この日は3管だったので僕は2ndを吹きましたが休みばっかりで疲れました。笑
ティンパニ奏者の女性とフルート奏者の女性がブリヤート功労芸術家賞を受賞してパーティーがありました。
大量に注がれているのはコニャックっという40%のブランデー…。
10/9 バレエガラコンサート
これもまたブリヤートのバレエというのがテーマで、前半にはブリヤートの神話をもとにしたバレエ、「麗しのアンガラ」をやったり韃靼人の踊りも演奏しました。
後半には白鳥の湖のグランパドドゥやタリスマン、ドン・キホーテなどメジャーな作品を演奏しました。
バレエは人気なので大盛況でした。満席。
10/11 麗しのアンガラ
翌日にこのバレエ作品のリハーサルをして翌日本番でした。トランペットが中々に大変なのですごく疲れました。笑
なんだか常にお祭り騒ぎみたいな曲です…。
アンガラについて↓
10/12 椿姫
アンガラはとても大変だったのですが、翌日間髪いれずに椿姫”La Traviata"の本番がありました。
なんとリハーサルもなく当日のゲネプロもない全くのぶっつけ本番でした。
この曲は2月に突然当日に1stを吹かされてよく勉強してあったので大丈夫でした…
写真を撮り損ねたので2月の記事を貼っておきます
10/16 蝶々夫人
ヨーロッパではMadame Butterflyというタイトルですが、ここでは
Chiyo-Chiyo-san というタイトルになっています。
9月のトスカは1stを吹きましたがアシスタントがついていたので
この公演が初めての1人で1st、トップでした。
プッチーニのオペラは実はとても複雑でかなり勉強が必要でした。
とても重要なところででてくるのに他はほとんど休みで、曲が細かく切れるわけではないので
一度どこかわからなくなってしまったら最後
という恐ろしいオペラです。
アメリカの国歌のドソロがあったり、日本的なメロディーのソロがあったりと中々のプレッシャーでしたが1回のリハーサルでなんとか乗り切ることができました。
毎日スコアを読んで音源を聴いて、トスカの時と同じくらい必死に勉強しました。
指揮を振れるくらい勉強しなければ演奏できないなと改めて思えましたね…。
100%の自信がないとオーケストラの中で音を出すって本当に怖いこと
同僚や指揮者からも”よかったぞー!”とほめてもらえたので自信になりました。
みんな
”SUZUKI”ってめっちゃ言ってるけどどういう意味??”
とすごくきいてきて面白かったです
鈴木の着物の色が変だったなあ…
10/18 白鳥の湖
白鳥の湖も通しのリハーサルなしで本番。
コルネットとトランペットがあるのですが、トランペットの1stでした。
ソロはないのですが、全くのドソロから始まるファンファーレがあるのでちょっとプレッシャーがありました。
その日の昼間にアレコというオペラのリハーサルも吹いていたので、体力的にかなりぎりぎりになってしまいましたがなんとか吹ききれました。
ロシア人のトランペットはチャイコフスキーの時は狂ったほどに大きい音で吹こうとするので合わせるのが大変です…。
この日は日本人ダンサーの山田陽加さんが黒鳥役でデビューだったこともあってか、チケットが完売で会場はすごい盛り上がりでした!
10/19 アレコ
この翌日もまた本番で、”アレコ”というラフマニノフの1幕のオペラでした。
この曲はラフマニノフの大学の卒業課題だったそうで、チャイコフスキーの推薦によってボリショイ劇場でも演奏されたという曲。
トランペットの出番はほとんどありませんでしたが、そんなに若い人が作ったとは思えないような作品でした。
Rachmaninov - Aleko, Nancy 2015
10/23 バレエ1001夜物語
アミロフという作曲家の1001夜物語というバレエ。
ここ5年くらいは生演奏ではなく録音で上演していたそうなのですが、今回は久しぶりのオケつきということでした。
常にfffという感じで、2ndだったのですがその分音量を出さなければならずとてつもなくしんどかったです。笑
たくさん息を吐きすぎて上半身の筋肉が全体的に疲労するという珍しい経験をしました…。52ページもあってトランペットは3ページ吹きっぱなしとかそういう楽譜。
作品についてはこちら
"1001 night". The Kremlin ballet. " 1001 ночь". Кремлевский балет.
10/27 カルメン
カルメンは9月にも演奏しましたが2ndだったので1stを演奏するのは初めてでした。
1001夜物語とは違い大音量は求められませんが
その分絶対的な正確さを求められる非常にシビアなオペラです。
1幕への前奏曲の低音の部分や、2曲目の衛兵の交代はオーディションでもよく出題されるもので衛兵の交代のファンファーレはドイツのオーディションでは必ずでます。
一見とても単純なのですが、正確なリズムで全ての音を完璧に吹くのは簡単なことではないので実力がもろにでます。
ドイツで嫌というほど練習してきてほんとうによかったと思えました。先生方に感謝です…。
フルートや児童合唱と絡むところも完全なソロなのですが、うまくいってよかったです。
バンダも自分たちで演奏したのですが、こういったシンプルなものを確実にきれいに吹くということに関してはドイツで勉強したことが本当に生かされたなあと。
そして先生方がなぜあそこまで
”シンプルなことをクリアに確実に”
とおっしゃっていたのかも実際にオーケストラの中で演奏しているとよくわかります。
実はトランペットはそれが難しかったりもするで、これからも学んできたことを忘れずに精進していきたいと思います!
11月はバレエ”真夏の夜の夢”の初演
10月は本当にすべて新しい曲という感じで公演に追われていましたが、11月はバレエ”真夏の夜の夢”の初演が中旬にあるので、毎日そのリハーサルです。
下旬にはウラジオストックのマリンスキー劇場が客演でトスカなどをやるのでこちらも楽しみです。