僕は打楽器奏者の妻と、ロシア連邦のブリヤート共和国のウランウデという街の歌劇場でトランペット奏者として働いています。
こんなところ↓
まだ2か月ほどしか住んでいませんが、6年間住んでいたドイツとの比較を書いてみます。
ちなみに僕はロシアはシベリアしか住んだことがないので
ロシアといってもシベリアの話です!
目次
ロシアがドイツよりものいいところ
シベリアは牛肉がおいしくて安い
ドイツも肉は安くておいしかったのですが、牛肉を食べる習慣があまりないためそんなにおいしくはありませんでした。
そして値段も高かったのでほとんど食べませんでした。
しかしブリヤートは牛肉を食べる文化のため、様々な部位が売っていてしかも安い。
ヒレ肉が500gで200円ぐらい
豚肉もとても新鮮なものでも1kgで200円ほどです。
肉がとても安くて品質がいいのは助かります。
鶏も丸一羽で300円くらいで売っています。
魚の加工品が豊富
ブリヤートは内陸ですが、ロシアは魚を食べる文化があるので魚介類も豊富に売っていて安いです。
ニシンや鮭の塩漬けや、エビ、タコ、スモークサーモンなどもありますが、イクラの缶詰もあります。
ドイツよりもここら辺のものが手に入りやすいのはうれしいです。
ロシアの野菜は日本のものと似ていて安い
日本のように新鮮で瑞々しい野菜はそれほど売っていませんが、売っている野菜は日本のものと似ています。
ドイツだと日本のキュウリは売っていなくて、めちゃくちゃ大きいズッキーニしかりませんがロシアだと小さくて細いものも売っています。
ナスもドイツだとめちゃくちゃ大きいですがロシアのものは日本のナスとサイズが似ています。
ちなみに野菜もとても安く、ジャガイモは2キロで30円ほど、トマトも安いときは10個で200円しません。
ロシアは米の種類が豊富で日本米に近いものも多くある
食べ物の話ばかりですが。笑
ロシアには様々な種類の米が売っていて、タイ米などはもちろん日本米に近い形の米だけでもかなりの種類があります。
ドイツでは基本的にMilchreisというリゾット用のお米しかなかったのであまり選択肢がありませんでしたが、ロシアでは色んな種類を試せていいです。
まあドイツではイタリア産コシヒカリなどを買うことができるのに対しロシアでは買うことができませんが…。どちらにしろロシアの物価でコシヒカリを買うことはできませんw
お米は大抵1kgで60円ほどで、いいものを買っても1㎏120円くらいです。
他の主食と比べても安い。
ロシアでは韓国・日本・中国のものが手に入りやすい
ロシアでは特に「日本製とドイツ製は良い」
というイメージがあるらしく、お菓子や食べ物も日本とドイツのものがたくさん売っています。
ミルカやリッタースポーツなどもあって感動です。笑
あとカエル印の洗剤も売っています。
この韓国みそも、辛い物と甘い物としょっぱいものの3種類が売っています。
ウランウデにはMegumiという日本と韓国の化粧品やシャンプー、洗剤を売っている専門店まであります。
韓国の化粧品も人気が高いらしく、普通の店にも売っていますが韓国語表記のまま。笑
ちなみに日本の洗剤の「トップ」はかなり人気らしく多くのお店に置いてあります。もちろん日本語のまま
ブリヤートは水が軟水で安い
ブリヤートはバイカル湖のおかげで、ミネラルウォーターがとてもおいしくて安いです。5リットルで50円ほど。
ものすごく意外かもしれませんが水道水も飲めます。
沸かしてからのむと普通においしくて、お茶なども水道水で淹れられます。軟水なのでよく出る。
シャワーも快適で、石鹸もよく泡立つので日本みたいです。日本のシャンプーも泡立つのはありがたいです。
ドイツは硬水で大変でした。
交通機関が安い タクシーも激安
バスや路面電車の料金もとても安く、路面電車はどこまで乗っても一律で15ルーブル(25円くらい)で、バスは20ルーブルです。
タクシーも激安で、ワンメーターで150円くらいです。空港から街まで20分ほど乗っても400円ほど。
しかもMaximというこのアプリでいつでもタクシーを呼べて、予約もできます。運転手に行き先を言う必要もなく素晴らしいです。
ウォッカや東ヨーロッパのビールの種類が豊富
「すみませんウォッカはどれですか?」
— 齋藤友亨 Tomoyuki Saito (@tomotrp) February 18, 2019
「この棚全部です」#おそロシア pic.twitter.com/Tbu5w5Drdx
イメージ通り、ロシアはとんでもなくウォッカの数が豊富です。
なんの違いがあるか全くわかったものではありませんが、大きな棚が全部ウォッカというのが普通です
そして意外なことにビールも種類が豊富にあり、ほとんどは海外のもの。ドイツのFranziskanerや日本のアサヒなども売っていますし、ハイネケンやGoesserなども。
チェコややオランダなどの海外のビールもかなり豊富に売っています。ドイツのビールは最高でしたがドイツのビールしか基本的に売っていなかったので新鮮な感じ。
Pilsnerという普通のビールがうっています。
500の缶で100円くらいです。
ブリヤートにはアジア人差別がない
ブリヤートは400年もの間ロシア人とブリヤート人とタタール人が共生している土地で、人種差別の感覚がありません。
社会的にも白人とアジア人は全くの平等で(白人差別があった時代もあったほど)、白人のロシア人が僕たちをもの珍しそうに見てくることもないし、
ドイツでしょっちゅうあった「ニハオー!!HAHAHA」という絡みをされることもありません。
オーケストラの人たちも半分くらいがブリヤート人なので、僕が目立つこともなく。
人種差別は経験しないとわからないことですが、それが全くないというのは本当に居心地がいいです。
ロシア人はロシア語ができないことについて寛容
ロシア人は基本的に英語を全く話さないので、こっちがロシア語無理だといってもガンガンロシア語w
しかし、”なんでロシア来てるくせにロシア語もろくに話さねえんだよ”
という感覚はあまり強くないようで、むしろ
英語できなくてすまんな…
的な感覚がある感じがします。なんか日本人と近い。笑
ドイツはみんな英語が話せますし、出稼ぎ外国人や留学生もものすごく多いので
"ドイツ語?英語?え、どっちもまともに話せないとかなにがしたいの?w”
みたいな雰囲気があります。
日本人も外国人に対して日本語話せや、って感じがものすごく強いですがドイツも割とそうかも。
ロシアはもうどうでもいいって感じ笑
ロシアは横断歩道でものすごく止まってくれる
ものすごく意外なことですが
横断歩道を待っていると急ブレーキで止まってくれますw
60kmくらい出ていて絶対に止まらなそうな車でも、急ブレーキをかけてまで譲ってくれます。ちょっと勇気がでないくらい交通量が多くても止まります。
逆に早く渡れとクラクションを鳴らされることもw
ちなみに僕の中での横断歩道譲るランキングは
1.ロシア
2.ドイツ
3.スウェーデン
4.ハンガリー
5.イタリア
6.日本
です
ロシアは通信費が安くネットが高速
ドイツの通信費は日本より少し安い程度でしたが、ロシアはとても安いです。
プリペイドのSIMもネットがLTEで無制限で月700円ほど。
Wi-Fiを契約しても高速で月1200円ほどです。
ロシアは外食も高くない
ドイツはスーパーの食料品はとても安いのに外食はとても高かったのですが、ロシアは外食もさほど高くありません。
このシュレンという牛肉の入ったうどんのようなものとブーザという小籠包のようなもの2つを食べても400円くらいです。かなりおなか一杯になります。ミルクティーを頼んでも15円とか
ちょっとおしゃれな店で巨大なリブステーキを頼んだら300円ほどでしたが、しょぼいハンバーガーは500円しました。謎です。w
ブリヤートは晴天率がとても高く冬はいつもいい天気
「太陽のブリヤート」 と言われているほど晴天率が高く、特に冬は毎日青空でした。
シベリアというと真っ暗で極寒の地獄のようなイメージでしたが、室内は暖かいので、天気がいいととても気分がいいものでした。
ドイツの12月は本当にずっと曇っているような年もあって辛かったです。日光がこんなにも大事だということを初めて知りました。日本の冬も天気はいいしそんなに寒くないし最高でした。
今年の年末に日本で作った動画です。よかったらご覧ください。
Morito Shrine music by Terukaku Yamashita材木座海岸〜森戸神社
ロシアは良いところがたくさん!
こうして考えるとロシア・シベリアはとても暮らしやすくて食べ物もおいしくてとても気に入っています。
ドイツで日本おりも不自由だったことが、ロシアだと便利だったりするのは意外でした。
ロシア・シベリアのドイツより悪いところ
いいところもあれば悪いところもあるのは仕方ありません。ロシアのよくないところも書いていきます。
シベリアのは冬まじで寒い
当然のようなことですがシベリアの冬はまじでめちゃくちゃ寒いです。
マイナス30度にもなるので防寒を怠るとすぐに凍傷になりますし、外を歩くとかなりの体力を消耗します。毛皮とブーツで重いし。
まあ室内が暖かいのでそれほどでもないんですけどね。
ロシアは寒暖差が激しい
これはドイツもそうなのですが、さらに寒暖差が激しいです。
一日の中でも22度から8度に変わったりもしますし、先週は20どあったのに今日はマイナス5度みたいにもなりますw
半袖の次の日がダウンということも。
日本は本当に気温が徐々に変化しますし、一日の中での気温差もすくないので良いなあと思います…
道路が舗装されていないところが多くインフラが整備されていない
ドイツや日本ではあまり考えられないことですが、きれいな道路があったかと思えば突然土がむき出しになっていたりします。
そのせいで砂煙がすごい。
郊外にいくとこんなところも普通にあるので結構やばいなと思います
まあ街中は最近もどんどん舗装されています。
野犬がめちゃくちゃいる
初めて見たときはかなり驚きましたが、狼サイズの大型の野良犬が大量に生息しています。w
シベリアンハスキー…。
この間は犬の家族も見かけたりしてほのぼのとすることが多いですが、もしかみつかれたらと想像すると怖いです。
シベリアはタクシーがボロボロすぎる
ロシアを走っているのはほとんどが廃車の日本車なのですが、フロントガラスにひびがあるのは当たり前でシートベルトが壊れていたりトランクが大破していたり。笑
どんな車が来るかは運ですが、乗るの怖いなーということも多いです。車ってあんなになっても走れるんだなということを知りました。
ロシアは売っている野菜と果物の種類が少ない
ドイツでは色んなところから輸入した野菜や果物がありましたが、ロシアは特にフルーツのバリエーションが少なめです。
まあすべて遠いところからの輸入なので当たり前ではあるのですが、ドイツで売られているものと同じブランド名の果物も結構売られたりしています。
シベリア横断鉄道でおくってるんですかねえ。
ロシアの田舎は英語が全く通じない
まあ日本の田舎を想像すればわかりやすいと思います。
そのくらい英語が全く通じません。若い人も全く通じません。
これは色んなことで結構不便ですが、グーグル翻訳でなんとかなることも多いです。
ドイツ人に”ヒトラー空耳集”で何と言っているのか聞いてみた結果w 目に刺さるにゃん - しべりあげきじょう
ロシアは手続き関係がドイツよりめんどくさい
ロシアの手続きのめんどくささはドイツを遥かにこえています。
色んな事にサインが必要でサインのためだけに色んな所にいったり、パスポートにロシア語の翻訳が必要だったりと色んな信じられないことがたくさんあります。
パスポートって全世界共通じゃないの?って感じですよね。
しかもロシアは法律をしょっちゅう変えるのでそれに振り回されることもしばしば。
ロシア人は飲み会がウォッカだけ
ロシア人が「飲もう」 と喉を中指でつついた場合それは
ウォッカだけを大量に飲もうぜ
ということなので注意が必要です。
しかもウォッカは必ずショットで一気飲みしなければなりません。
ロシア人が言うにはその方がむしろ酔わないんだそうですw
ウォッカを一気飲みし、すぐにジュースを飲んで胃の中で割る
というスタイル。
ガンガン飲むので下手すると1人1瓶飲まされる場合もあるので注意。
ゆっくりビールやワインを飲むということはしないんですね。なんてこった。
ロシア人は些細なことではありがとうを言わない
ドイツ人は本当にちょっとしたことでもすぐにありがとうと言いますし、DankeとBitteのやりとりは多いですが、ロシア人は些細な事ではお礼をいいませんw
ドアを開けて待ってあげても
( ˙-˙ )
道を譲ってあげても
( ˙-˙ )
ということが非常に多いです。笑
特に知らない人には言葉を発さないような感じがします。
笑顔で挨拶しても真顔
悪いことというわけでもなく単なる文化の違いなのですが、こちらが笑顔で挨拶して握手しても
( ˙-˙ )ズドラーストヴィーチェ(こんにちは)
って感じですw
あと目が合ったら微笑むという文化もないので、突然笑いかけたら「バカ」もしくは「変な人」と思われるらしい
でもよく考えれば日本でも知らない人と目が合って微笑みかけることはないし、挨拶もいちいちみんなが笑顔ではないので似たようなものかもしれません。
ロシア人はあまり作り笑顔とか無駄に愛想よくとかはしないだけでみんな基本的に親切な人たちです。
ロシアはドイツとの違いは思ったより少ない
日本からいきなりロシアに住んだら全てのことがあまりにも違いすぎて戸惑うことも多かったと思いますが、ドイツとの違いは意外と少ないのであまり違和感なく過ごせているのかもしれません。
ロシア人が日本人によく聞く100の質問―ロシア語で日本について話すための本