トランペット奏者 齋藤友亨のブログ

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

バロックトランペットのマウスピース Egger

※マニアックなお話

昨日に引き続きバロックトランペットのこと。

バロックトランペットとは中世に使われた現代のような装置のついていない「ただの管」のトランペット。

saitomo.hatenablog.com

マウスピースというのは唇を当てるところで、楽器ぐらい大事な部分です。歯並びや吹き方などによって人それぞれなものなのでたくさん種類があります。

 

もちろん普通のトランペットとバロックトランペットでは違うマウスピースを使うことになります。

一番左がモダン、そのほかはバロック用

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長さ太さが異なり、デザインもなかなか違います。

 

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ナチュラルトランぺット用の物は大きいものが多いのですが、モダンに支障をきたすので小さめの物を注文しました。

 

マウスピースは全てEggerという、ほとんどの人が使っている老舗メイカーのもの。

 

全てお試し

まさかこれを全部買ったわけではありません。1本130ユーロもするので…

Eggerさんにホームページから、

「マウスピース何本か試したいので送ってもらえますか?」

とメールしてみたらあっさりと送ってくれました。全くお金払ってません。

試奏は無料とのことですが、このまま持ち逃げされたらとか現品受け取ったからお金を払わない。とかそういった心配はないのでしょうか。

「音楽家を心から信頼しているから」といっていました。どれをとっても日本では考えられないことです。

 

平たいリム

今回注文したのは、最もスタンダードなSシリーズの5と7R

日本では販売されていないSTシリーズの1・2・3です。

 

5番はザルツブルグ博物館にある歴史的なマウスピースのコピーで、とても大きくてリムが平たい。

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リムが平たいので不快感がすごいですが、とにかくものすごく低音が出ます。笑

当時は高音吹きと低音吹きで分かれていたでしょう…

 

S7Rはリムが小さめで1Cくらい、それで丸いリムなのでとても快適です。多分これにします。

 

STシリーズは「モダントランペットトランペットと持ち替えの多い人でも違和感のすくない1 !/2C位の大きさの丸いリム」ということらしく、上の写真のように短めでとても軽く、吹奏感はほぼモダンと変わりません。カップの深さで1,2.,3と分かれています。

ただ音が軽く明るくあまりにもモダンよりなので、これではバロックのサウンドではない気もします。最近では普通のオーケストラでもバロックトランペットを吹かなければいけないところもあるそうなので、なるべくモダンとの持ち替えのストレスをなくしたい人にはいいかもしれません

 

バロックトランペットでウォームアップ

これがモダンにいいとも聞いたのでやってみていますが、とてもいい感じです。

バロックトランペットは力んでいたり息を出しすぎたり、とにかく無駄なエネルギーを使うとまるで吹けない楽器なのでリラックスに最適なのかもしれません。

管が長いことで息が安定します。

あとは倍音がモダンの倍あるので、リップトリルがの練習が低い音域でもでき、とても効果的です。

管が長い分やりやすいです。ホルン的な感じで。

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譜面台とのこのフィット感w スタンドいらずw

中世でやったらまず処刑確定でしょう…

 

おすすめ

バロックトランペットに興味のある人が果たしてこのブログを読んでくださっているのかは懐疑的ですが、始める人におすすめなものは

S7R,S8R,S9R といったところでしょうか。

Rが丸いリムのことを意味しているのでお忘れなく。

 

ちなみに、日本ではここから購入できるそうです。

Egger マウスピースのページ


ちなみに写真は全てノーラッカーです。金や銀メッキを使っているプレイヤーは一度も見たことないです。