ヴュルツブルクのバロックトランペット科
僕は主専攻は普通のトランペットなのですが、副科でバロックトランペットを取っていて本科と同じような感じで結構レッスンを受けています。
ドイツのいくつかの音大(主にブレーメン・トロッシンゲン・フランクフルト)には古楽科というものがあり、歴史的な楽器が勉強されています。
リコーダーやリュートなども一般的です。
ヴュルツブルクにも古楽科があり、バロックトランペット専門の先生が教えています。
僕が習っているのはHannes Rux(ハンネス・ルックス)という先生です。
Hannes Rux(ハンネス・ルックス)プロフィール
1965年生まれ。モダントランペットをデュッセルドルフ音楽大学でEdmund Buschingerに、バロックトランペットをケルン音楽大学でFriedemann Immerに師事。
Freiburger Barockorchester (ドイツ), Collegium 1704 (チェコ),Café Zimmermann (フランス),Tafelmusik Baroque Orchestra Toronto(カナダ), Philharmonia Baroque Orchestra San Francisco(アメリカ), Akademie für alte Musik Berlin(ドイツ) メンバー。
これまでに200枚を超えるCDのレコーディングに参加。またソロでもブランデンブルグ協奏曲第2番や、テレマンのトランペット協奏曲など多数録音。
ヴュルツブルク音大、フランクフルト音大、デトモルト音大で教鞭をとる。
ーーーーーー
YouTubeにはソロはないのでiTunesでテレマンの協奏曲などきけます!
Corelli Concerto grosso op. 6 No IV, 3. Vivace & 4. Allegro - Allegro
まあそんなものすごく難しい楽器なのですが、先生は本当にモダンと同じように吹くのでものすごく驚きました。想像を絶するうまさ。笑
先生がお手本で曲を吹いてくれた時はぶったまげました…
でもモダンではできないバロックトランペットならではの優しい音。
副科で習えるようになったのは本当に偶然だったのでとてもラッキーです。
バロックトランペット(ナチュラルトランペット)とは。
簡単に説明しますと、トランペットというのは唇の振動を管に伝えて音をだしているので水道管とかでも音が出ます。
いつだか流行ったブブゼラとかはまさにトランペットの原型!
ちなみにブブゼラもトランペット奏者が吹くと普通に美しい音がだせます。
詳しく説明するとわかりにくいので省きますが、昔のトランペットには今のトランペットのようなピストンバルブついていなかったので、本当に唇だけで吹いていたわけです。
管もモダンよりずっと長いしとにかく難しい楽器なのです。
中世ではトランペット奏者になれるのは貴族だけで、オーケストラの中でもかなり特別な位置で給料も何倍ももらっていたそうです。
クラリーノ奏法という秘伝の奏法は一子相伝だったと言われています。
給料も高いので、何人トランペット奏者を雇っているのかというのは貴族のステータスでもあったのです。
その分プレッシャーは凄まじく、一音外したら死刑になっていたなどという記述も残っているほど…
トランペットの歴史に興味がある方はこちらをご覧ください
古楽科のおさらい会
前置きが長くなりましたが
昨日はそのヴュルツブルクのバロック科のおさらい会でした。
僕ともう1人の副科の学生と、専科3人と先生でトランペット4重奏の曲を吹きました。
僕は一番下のパート。低音は得意ですが、1stの次に大事なパートなのになんで副科の僕が吹くことになったのかはちょっと疑問です笑
下のドとソを吹いただけでしたが低音の楽しさを満喫できたアンサンブルでした!
先生にすごく低音ほめられました。
次学期のおさらい会ではソロも吹かせてもらえるそうなのでがんばって準備していきたいと思います!
バロックトランペットを勉強できるドイツの音大
古楽専攻がある大学は多くなく、その中でもバロックトランペット科があるのは
トロッシンゲン音大 Patrick Henrichs
ブレーメン芸大 Susan Williams
ヴュルツブルク音大 Hannes Rux
ケルン音大 Friedemann Immer
バーゼル音大(スイス) Jean François Madeuf
だと思います。
ただ副科で勉強できる大学も多く、カールスルーエ音大、ケルン音大、ミュンヘン音大、ライプツィヒ音大でも学ぶことができます。
穴無しのナチュラルトランペットを勉強できるのはバーゼルだけだと思います。
音楽関連