しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

子どもバレエ «ねこのいえ» ロシア人なら誰もが知っている童話

子どもバレエ ねこのいえ кошки дом

昨日は昼12時から子どもバレエ「ねこのいえ」の公演があり、休みだったので観にいきました。

 

ブリヤート劇場では月に6〜7回は子ども向けのバレエやオペラを上演しています。

 

「ねこのいえ」はマルシャークという20世紀のロシアの作家で、ロシアではとてもポピュラーな作品です。

「みんなで幸せになろう」という明解なメッセージが

ユーモアたっぷりな文と絵で表現されています。

 

 

www.tomotrp.com

 

 

ストーリー↓

ネコねえさんのお屋敷はどこの家よりも立派です。ところがたいへん大火事に。たすけてくれたのは貧しい子ネコたち。みんなで家を建てることになりました。力を合わせ、いっしょに建てよう!家族全員、四人そろって、新しい家を建てましょう。

 

絵本の翻訳者 片岡みい子さんのあとがきです↓

ロシアでは、マルシャークを知らない人はいません。『ねこのいえ』も、親が読んできかせたり幼稚園で演じたりするので就学前には誰もが暗唱できるほどです。

マルシャークは、『火事』や『チリ・チリ・チリ・ボン!』といったわらべうたに着想を得てこのお話を書きました。

 

 マルシャークはこの物語を書く前に、第一次世界大戦下、強制移住させられ難民化した子どもたちを助け、履物や外套や毛布などの世話をしています。

 

辛い境遇にある子どもたちのために、

「きみたちをこの戦争で死なせない、凍えさせない、子どもはこの世で幸せにする」という強い信念でこの物語を書いたのです。

でも、お話は説教くさくないどころか、むしろ滑稽です。動物たちは言いたい放題、それぞれ勝手きままに振る舞っています。

火事で焼け出されたネコねえさんに同情はしますが、所詮他人事。

ネコねえさんとネコじいさんも自ら苦難を味わってようやく成長します。

子どもたちは、マルシャークのリズミカルでユーモラスな台詞を暗唱したり合唱したりしながら、「みんなで幸せになろう」という簡潔で明快なメッセージに親しむのです。

 いっぽう挿絵もユーモアたっぷりです。ワスネツォフは1947年に出版された三幕物の絵本には青黒2色刷りのお洒落なリトグラフを描き、

1959年初版の本書にはカラフルな水彩画を添えています。

彼が描く擬人化された動物たちは、愛らしくて可笑しくて魅力的です。

また、伝統的な民工芸の故郷で育ったワスネツォフならではの、純ロシア的な家の装飾や花や文字のデザインが全編を彩り、懐かしさと安らぎを与えてくれます。

 

 本書は戯曲です。挿絵を参考に舞台装置や衣裳を作って演じてみてください。

ロシアの田舎の家にも注目です。門や木戸を開けて敷地に入り、外階段でポーチへあがったところに玄関があります。

窓の鎧戸は観音開きの木彫り細工、窓のまわりにも木彫りを施したり模様を描きます。家に入ると玄関の間があり、客間兼食堂に入ると暖炉(ペチカ)があって、煙突は1本。

 火事は多かったようで、1920年代の新聞に「一生のうちに一度も火事にあわない農民はいない」とあります。

消防隊は馬を大事に手入れし、勇敢な消防士たちは憧れの的でした。

ちなみに1000ルーブルしたネコねえさんのドレスですが、当時の富農の年間の現金収入、および都市生活者のほぼ年収にあたります。

工業製品としての美しい布や短い靴はなかなか手に入らず、田舎の家ではベッドはもちろん、家具調度、鏡やピアノはたいへんな贅沢品でした。

 

娯楽といえば、集まって歌ったり踊ったり、お話しをすること。そんな昔のロシアの暮らしを想像しながら、演じてみてください。

ロシアの古典的名作絵本『ねこのいえ』発売 - 一般財団法人 知と文明のフォーラム

 

ねこのいえ

ねこのいえ

  • 作者: サムイル・マルシャーク文,ユーリー・ワスネツォフ絵 ,片岡みい子  
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2011/06/18
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
 

 

 

 

先日も子どもたちがたくさん来ていましたが、今日もバスで多くの子どもたちが来ていました。

f:id:tomotomotrp:20190311000504j:image

 

50分のバレエ作品

ねこのいえはシンデレラよりも短く、50分の作品です。休憩なしで子どもでも飽きないように工夫されており、音楽もとても軽快でわかりやすいものです。

ディズニーランドのような感じ

f:id:tomotomotrp:20190310233656j:image
f:id:tomotomotrp:20190310233712j:image
f:id:tomotomotrp:20190310233612j:image
f:id:tomotomotrp:20190310233706j:image

f:id:tomotomotrp:20190310233636j:image

 

文化の安さと近さ

こうして劇場は毎日のようになにかしらの公演をして、常にお客さんが入っています。

 

兄と街のカフェにいると、

バレエダンサーですよね?

と話しかけられることもありますし

病院に検査に行けば、

ダンサーだよね?と言われることも。

 

劇場は街のシンボルで、なくてはならないような存在。

チケットも200ルーブルから500ルーブル(300円から〜750円)と物価を考えてもとても安いです。

 

お客さんが来るのは、

「ドイツと同じく文化的なことが近い」

ということもありますがそれは同時に価格が安いということも大きいです。

映画を観に行く感覚でバレエやオペラを観られます。

しかしそれは国が補助金をだしているから。

 

日本とは大きく違います。

 

しかしだからと言って日本に対してもっと西洋音楽に対して税金を出せというのは違うと思います。西洋芸術を国が保護する必要はないと言われたらそれまで。

 

日本人は文化に理解がないとかいう人もいますが、

チケットが1000円で自分の街にバレエの劇場があったら観に行くと思うんですよね〜

 

やはり価格は重要。

 

日本で真似することはできませんが、

「補助金を国から受ける」のではなく別の形で協賛を集めたりしながら

チケット代は安く抑えて多くのお客さんに来てもらえるような演奏会をしたいなと思います。

 

 

www.tomotrp.com

 

 

今年は8/12(月・祝)の13:30から逗子で今の同僚であるバレエダンサーの兄、充央との演奏会をします!

バレエプログラムで、兄は3曲踊ります。

 

チケットはこちらから!↓

f:id:tomotomotrp:20190310235042j:image