しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

バーデンバーデン音楽祭 ベルリンフィル×ペトレンコ

シベリアからドイツに戻ってきたからすっかり更新が途絶えてしまっていましたが、忙しく最後の学生生活を送っています。

 

帰って早々にトランペットの次の教授を決めるオーディションがあり、ハンネスロイビンやヘフスの前で模擬レッスンを受けたり、ロジャーボボとビール飲んでレッスンも受けたりと盛りだくさんでした。

 

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 バーデンバーデン音楽祭

イースター休暇にはバーデンバーデン音楽祭でベルリンフィル×ペトレンコの演奏を聴いたり。SWR×エッシェンバッハの演奏を聴いたりとドイツでしかできないことをたくさんしています。

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ベルリンフィルの新しい音楽監督キリル・ペトレンコの演奏を初めて聴いた。

前半はシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲でソリストはコパチンスカヤ。

中々猟奇的な曲だが衣装はそれと対比するような純白のワンピース。叫びのような嘆きのような旋律の一つ一つにも説得力を感じさせるような演奏。

舞台に立ってから靴を脱ぎ裸足になり飛び跳ねたりしながら何かに憑かれたかのように弾いていた。高度な集中力。

曲でシェーンベルクが何を言いたいのかわからなかったが、彼女はとても深いところで理解しているということはわかった。

間奏の間の微動だにしない立ち方や表情、全てが徹底したパフォーマンス。

アンコールではクラリネットのオッテンザマーが登場しデュオ楽しそうに吹いていた。かなり破天荒なコパチンスカヤに前に引っ張り出されたようなオッテンザマーは終始はにかんでいて好感が持てた。「4月は君の嘘」の主人公たちのように見えた。

 


メインはチャイコフスキー交響曲5番。

ペトレンコは本当に全てのフレーズの歌い方にまで指示を出しているというくらいに細かく、しかしダイナミックな指揮をしていた。

ファゴットのメロディーを聴きながらタクトを見ていると、本当に彼の指示する通りにきれいに吹いていて驚いた。

客席から棒を見ていてもどうフレージングしたいのかが手に取るように伝わる。それだけわかりやすい指揮。"見たままの音がでている"みたいなのを初めて体験した。

しかしペトレンコが演奏を全て強要していたりコントロールしようとしているようには見えず、オーケストラをとても尊重しているのも伝わってきた。そしてオーケストラが彼を100%受け入れて信じているようにも見えた。

 


1楽章が終わりみんなが咳をしている間、首席ホルンのドールはぼんやりと上を見上げていた。

緊張とリラックスが混ざっているような不思議な雰囲気。

ソロの入りは今まで録音も含めて聴いたことのないほど小さくて優しい音だった。

あそこまでの緊張感の中でとてもリスクのある超弱音をソロを始める精神力。

アンドレもよく言っていた。

「どう吹いたら演奏しやすいかではなく、どう吹いたら音楽的かが先になければならない」

本当に素晴らしかった。

 


弦楽器がffになった時のあの音圧はベルリンフィルにしかない音。ペトレンコはその厚みさらに引き出してまとめ上げていた。

指揮者候補だった人の演奏も聴いたことがあるが、ペトレンコは比べ物にならないほど素晴らしくベルリンフィルと合っていた。

ラトルの時代とは全く違うオーケストラになっていくだろうな。観客としてとても楽しみ。

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ポートレート撮影

写真が趣味の1つですが、ヴュルツブルクで一緒に勉強する友達のプロフィール写真を撮りました。

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なかなか難しいですがiPhoneでもアイデア次第でよく撮れます

 

ピアニスト松浦愛美~グレムザー氏との出会い、音楽家のメンタルトレーニング - あうすどいちゅらんと

ドイツの桜

ドイツの桜もきれいです

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フィンランドのオーケストラのオーディション

5月頭にはフィンランドのトゥルクという街のオーケストラの首席のオーディションがあり、招待状がもらえたので受けに行きました。

研修生やアカデミーではないオーディション受けたのはロシア以外では初めてで、首席の募集ということで難しい課題ばかり。

 

フィンランドは街並みは普通のヨーロッパですが、とにかく清潔感にあふれていて色んなものが渦巻いているドイツとは大きく違います。

小さな街にも関わらずアジア人に嫌悪感を示す感じもなく、居心地がいいところ。

オーディションに来ていた人数はさほど多くはありませんでしたが、tutti奏者の2人も受けに来たりと上手な人たちばかりでした。

 

くじ引きではまさかの1番を引いてしまい、突然吹くことに笑

緊張する間もなかったので今までのオーディションよりリラックスして吹くことができましたが、詰めの甘い演奏。

反省点をあげるときりはありませんが、良くなった点や取り組む中で得られた成長も多いので少しは自分を肯定していこうと思います。こうやって色んなところに行かせてもらえて幸せです

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残り2ヶ月の学生生活

長かった学生生活も7月でついに終わるので悔いのないよう過ごしていこうと思います。

ヨーロッパで最後に行っておこうと思っていたブダペストに行ってきたのでその記事を書こうと思ったら、この2ヶ月もいろんなことがあったので随分長くなってしまいました笑

ブダペストのことは別で書こうと思います。

 

 

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水曜日から今年も教授とデンマークへクルージングへ行き、そのままスウェーデンにオーディションを受けに行きます!

 

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