トランペット奏者 齋藤友亨のブログ

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

コロナで一時帰国して不動産建築の仕事を1年してみて

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去年コロナで一番制限があった7月頃に帰国してからもう1年近く経ってしまいました。今ではシベリアに住んでいたことが夢だったかのようです。

コロナでロックダウンになってからはnoteを始めたりしてちょっと自分に酔ったような文章を書いて楽しんでいましたが、やはりはてなブログも細々とは書いていきたいなと思っています。

note.com

 

さて、ロシアで「無休休暇」を申請して帰国し無事に結婚式をあげることができたものの、ロシアは完全に労働ビザの発給を停止してしまいました。

最初のうちは、年内には戻れるだろうというくらいに楽観視していましたがご存知の通りコロナは全く収まる気配はなく今シーズンは無理だろうということに。

 

 

実家の会社で働くことに

音楽の仕事は全てストップしているような状態だったので、実家の会社で働きながら仕事を教えてもらうことになりました。

父は不動産業と建築業の会社を両方とも一人で経営しており、手伝うことも勉強できることもたくさんあったのでした。

トランペットは1日でそれほど長時間にわたって練習できるわけではないので働きながら練習することはさほど大変ではなく、むしろメリハリがついてよかったです。

音楽の仕事がたくさんある中だったら練習時間以外にも様々な準備などの時間も必要になりますが、ちょうど何もなかったので勉強に集中できました。

 

親から勉強できる楽さ

不動産に関する法律は全く知りませんでしたが、宅地建物取引士の勉強をしながらすぐに父に質問して学べました。仕事のことを親に聞けばわかるということ自体があまりに新鮮で、こんなに楽なことはないなと思って一日中質問し続けたら家族に止められました。笑

ただそのプロ中のプロのマンツーマンの授業を毎日何時間も受け続けた結果、一通りの法律と実務で必要な知識、経営の知識など様々なことを短期間に学ぶことができました。

トランペットと違い、勉強しただけ知識がついていくというのは楽しいものです。トランペットはやっただけ上手くなれるわけじゃありません。

 

会社としては土地の仕入れ、建売です。

とにかくお金のことをちゃんと理解していないと一瞬で破産する仕事なので、お金に関する感覚を養うことが非常に重要なこと。税に関する最低限の知識もなければなりません。

家を一軒建てて売るまでには、大工さんから各職人さんはもちろん、その材料を作っているメーカーから完成した家を売る仲介業者までとても多くの会社とそこで働く人々の生活が関わります。

建築の仕事は社会ととても大きな繋がりがあり、人々がどうやって仕事をしているのか、どうやって仕事を得るのか、そこに生まれる力関係など世の中のことを総合的に勉強することができました。

 

仕事を生み出すこと

そしてそのような仕事をしながら一歩引いたところからクラシック音楽業界を見ることができたのも新鮮でした。

芸術活動は自分もずっとしていきたい、もっと多くの人々に良さを伝えたいと思えることですが、やはり現状では一方向的すぎるということも痛感しました。

 

 

建売の仕事はまさに多くの仕事を生み出して人々に与えることになるわけですが、その与えられるものを待ち続けてその待遇に不平不安だけ言っても何も変えられません。

もちろん音楽家も金銭的なことをしっかり交渉できるようにするということも大事ではあるのですが、やはり一番は建売と同じように自分で仕事を生み出せるところまでいくことが大事でそれができるようになりたいと思いました。

 

不動産の仕事

不動産仲介の仕事もありがたいことに知り合いから依頼を受けたり相談を受けたりしましたが、難しさがよくわかりとても勉強になりました。「その人が本当に望んでいることを言葉にされなくても感じとる」という能力。これはまさに音楽にも必要なことだなとも思いました。

話がなくなってしまったり、気がついたら他社で買っていたということもありましたが、自分の繋がりからの土地の売却が成約したり、リフォームのご依頼を2件もいただけたりと思わぬ成果に自分でも驚いています。

 

新しい試みでCGパース動画の制作を外注してみたりもしました。

youtu.be

防音工事

これからは音楽家の人のための「ちょうど良い防音室」を施工していけるように勉強していくつもりです。

「練習室がどのくらい響いたら心地よいのか」ということは普通の施工会社には見当もつかないので、とにかく響かなくするという傾向がありますが、自分なら細かくそれを提案することができます。

トランペットはこのくらい、ピアノはこう、フルートはこう、歌はこう

ということを音楽家本人が説明できるのは大きな強みになるのではないかと考えています。

それから造作の収納なども楽器によって一番望ましいものを、各楽器の友人に聞きながら作っていきたいです。

 

それから各友人の演奏会に協賛して会社の広告を掲載させてもらったりしてwin winな関係を気づいていけたらとも考えています。

 

やっぱり楽器を演奏したい

そして一年で一番思ったことは

やっぱりコンサートをしたい、演奏したい

ということでした。

 

不動産も建築も逆に楽器のことを全く考えないので楽しいですが、やはり音楽の楽しさとは別次元のことです。

別次元というよりは、楽しさの種類が全く違うということです。

ビジネスは利益がどれほど上がったかというところに楽しさがありますが、音楽はそれとは関係ありません。

ものすごく儲かったからといって不完全で不本意なコンサートをしたら楽しいとは思えません。むしろ利益はほぼ出なくても心から良い演奏で、お客さんが喜んでいたらそれが一番の楽しさになるわけです。

だから音楽で利益を追求するのは難しいわけですね。

やはり採算が合わなくてもいいものを作りたいと思ってしまうのが音楽家の性なのでしょう。。。

ただ自分はその分不動産や建築といったビジネスではとことんお金のことを考え尽くして、音楽の時には採算を考えないようにする

というのが目標です。

 

土地の売却でも家の購入の場合でも、めんどくさい相続がある場合でも、些細なリフォームがある場合でもなんでもご連絡ください。

 

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