水戸芸術館 パイプオルガン・プロムナード・コンサートでの演奏
昨年のことになりますが、2018年12月24日に水戸芸術館のプロムナードコンサートのシリーズの「クリスマス・スペシャル」でオルガン奏者の龍田優美子さんとコンサートしていただきました。
龍田さんとはベルリンに住んでいた頃にDAAD奨学生のコンサートを聴きに行った時に知り合い、受験生をしていたころ進路のことで相談に乗っていただいたりとてもお世話になっていました。
オルガンとトランペットという組み合わせはとてもたくさんレパートリーがあるので
いつか共演したい
とはお話していたので今回龍田さんが水戸芸術館に僕を推薦してくださってとてもうれしかったです!
龍田優美子 プロフィール
1989年東京生まれ。
3歳よりピアノをはじめ、6歳より桐朋学園大学付属子供のための音楽教室 ピアノ科に入室。
17歳より井上圭子氏に師事しオルガンを始め、 2012年に東京藝術大学を卒業し大学院に進学。
2016年に東京藝術大学大学院 音楽研究科 器楽専攻 オルガン研究分野 修士課程修了。
この間オルガンを廣江理枝、B. アシュレーの各氏に、 ピアノをS. プラタニア、L.G. モレノの各氏に、通奏低音を 椎名雄一郎氏に、即興演奏を近藤岳氏に、チェンバロを大塚直哉、廣沢麻美の 各氏に師事。
2011年に安宅賞, 2012年にアカンサス賞受賞。
2015年よりドイツ政府からDAAD奨学金を得て1年間ドイツの シュトットガルト音楽演劇大学に留学しH. ドイッチェ教授に師事。
2016年より米国の インディアナ大学音楽学部オルガン専攻に博士号を目指して留学しS. フィッシェル教授に師事している。 日本オルガン研究会会員、日本オルガニスト協会準会員。 2011年に第7回武蔵野市国際オルガンコンクールのオーディションにて奨励金を支給された。 (2017年1月)
クリスマスコンサートのプログラム
水戸芸術館はエントランスにパイプオルガンがあるので、ホールではなくエントランスで演奏しました。
入場料は無料で、ふらっと聴きに来られる感じの昼のコンサートだったので
讃美歌やハトと少年などの聴きやすいものを演奏しました。
しかし「一曲本気の曲をいれたい」ということで、何年も前からいつかやってみたいとお話ししていた
Peter Ebenというチェコの作曲家の20世紀の作品
「4つの窓」より黄金の窓
を演奏しました。
こんな曲↓
Petr Eben: Okna - Golden Window (Gunther Rost / Tine Thing Helseth)
拍子が書いていなくとても特殊な曲で「わけがわからない」と思われる可能性もありました。
これは音楽家にとっては少し難しいところでもあります。
難しい現代音楽のような曲ばかり演奏してもお客さんは飽きてしまいますし
ポップスのようなものばかり演奏するのも演奏のしごたえがないわけなので
プログラムの組み方というのは慎重に考えなければいけません。
というわけで今回は聴きやすい曲の中に一曲現代的な難しい曲をいれました。
コンサートが始まってから徐々にお客さんが増えていき黄金の窓を演奏したときには立ち見のお客さんもたくさんいるほどだったので、
「お客さんたち伝わるだろうか…。」と一瞬思いましたが
本気で取り組んでいるものはちゃんと人に伝わる、とも信じていたのであまり深く考えずとにかく出し切れるように演奏しました。
曲が終わり「ブラボー!!」と大きな拍手をいただいた時に
心から音楽をやっていてよかったと思いました。
プロムナードコンサートで満員のお客さんになることも、ブラボーがでることも稀なことと伺ってより一層うれしくなりました。
何より、この曲を演奏してお客さんに喜んでいただけたことが、トランペット奏者として音楽家としてうれしかったですし自信になりました。
またこのような機会をいただけるようがんばります!
その後ロシアの歌劇場に就職できました!