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ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

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【まとめ】メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間【創業者山田進太郎】

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

またKindl unlimitedで読んだ本を紹介していきたいと思います。

気が付いたらみんなが当然のように使っていた「メルカリ」。

2019年の流通総額は5307億円にもなったという日本の数少ないユニコーン企業です。

2013年に創業してから上場、アメリカ進出、決済システム「メルペイ」など破竹の勢いで成長を続けているメルカリの創業者である山田進太郎さんのことを中心に描いた本

「メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間」奥平和行「メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

を紹介していきます。この記事を読めば本の内容がほとんどわかるというようにシンプルに書きました。

 

 

メルカリ創業者山田進太郎とは

本の序盤ではまず山田進太郎がどのような経歴なのかを簡単に説明しています。

楽天の内定を蹴ってフリーランスエンジニア

山田さんは早稲田大学在学時に

楽天でインターンも経験、

「映画生活」という試写会のチケットのプレゼント情報共有サイトを作り利益をあげ売却も試みるなど活動的でした。

 

そして楽天から内定ももらっていますがそれを辞退

卒業後はフリーランスエンジニアとして働いていまいした。

 本人は「若気の至りだった」と語っているそうです。

 

段々と仕事の規模が大きくなるにつれ法人化が必要になり

ウノウを設立します。

 

そして「映画生活」売却で知り合った石川篤氏から

「自分の会社を立ち上げるからプロダクトを作れる人を探している」と声をかけられて一緒に働きだします。

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まちつく!のヒット

こうして「フォト蔵」など様々なサービスを試みますがどれも短命に終わってしまいます。

そこで3Gのガラケー最盛期にぴったり合った「まちつく!」というゲームを作りヒットさせます。GPSやコミニュティを活用して自分だけの街をつくるオンラインゲーム

 

ミクシィのオープン化によってさらに大ヒットし、1年で300万人ユーザーまで成長します。

 

ジンガからの買収

そこへ、Facebookで爆発的にヒットした「ファームビル」というゲームを制作していた

アメリカのゲーム制作会社ジンガから、買収を持ちかけられて受諾します。

 

こうして2010年にウノウからジンガジャパンへと変わります。

 

しかしカードバトルの流行にのり遅れたジンガジャパンは収益率が低くなってしまい

ジンガ側の意見が圧倒的強くなってしまいます。

 

結果的にジンガと旧ウノウの方向性の違いから、

山田進太郎がジンガジャパンを去る

という形になります。

 

山田進太郎 世界一周の旅

ジンガをやめた山田さんは1年間世界一周の旅にでかけ

アメリカ→モロッコ→スペイン→ヨーロッパ諸国→中東→インド→タイ

と巡ります。

帰国後

「何か得られたのかはわからないがすごい創作意欲が湧いている」

と語ったそうです。まさに充電期間ですね。

 

世界は一気にスマホの時代へ

2012年はスマホのシェアが一気に拡大した年で、スマホビジネスの可能性が見えていた時でした。メールからLINEにかわり、世界一周旅行の間にITは目まぐるしい変化をしていました。

 

 

コウゾウの創業

そして山田進太郎は楽天でのインターン時代に「楽天オーディション」の開発に携わった時から

「個人間サービスには大きな可能性がある」

と考えていたのでそこからメルカリの構想を始めます。

動画、検索サービスなどを運営していた早稲田大学の同級生

”バンク・オブ・イノベーション”の社長 富島寛と

アメリカのゲーム開発会社”ロックユー”の創業メンバーの石塚亮とともに

”コウゾウ”を創業します。(のちのメルカリ)

 

ヤフオク!の衰退とスマホアプリにチャンス

それまでの個人間サービスの代表はヤフオクで独り勝ち状態でしたが、2007年をピークに利用者数は減少していきました。

・携帯電話中心になった時に対応に遅れた

・スマホへの対応が大きく遅れた

などの理由だったと言われています。

 

そこで今までは

ブラウザ→サイト

というところから

ホーム画面→アプリ

というようにユーザーの動きが大きく変化したため、

ヒットするアプリを作れば大きなチャンスがあったのです。

 

メルカリのライバル会社フリル

メルカリのライバルといえば今はフリル(現ラクマ)でした。

フリルは実はメルカリよりも半年以上先にアプリをリリースし、初のフリマアプリでした。

 

フリルの創業者

フリルの創業者の堀井翔太は新卒で米シリコンバレーのECナビで働いていたところから若くして独立、フリルを立ち上げました。

ちなみに堀井氏も楽天でインターンを経験しています。

 

フリルは女性限定・読モで広める

フリルは完全に若い女性にターゲットを絞り、アプリは女性限定で男性は使えませんでした。

 

そこで目を付けたのが読者モデル。

読者モデルは自腹で衣装を用意しなければならないため

一度着てすぐに売却できるフリルは需要にぴったりあっていたのでした。

 

広告費に巨額を投じる必要もなく

フリルは読者モデルのブログの口コミによって爆発的に広まり大人気になり順調にユーバーを増やしていきました。

 

メルカリとフリルの大きな違い

メルカリは半年後の2013年7月にアプリをリリース。

ちなみにMercariはラテン語で市場という意味です。

 

メルカリとフリルは、料金の保証など基本的なシステムは同じでしたが

 

フリル:女性限定、ファッション中心

メルカリ:性別、ジャンル、年代を問わない。

 

という大きな違いがありました。

 

メルカリは広告費に大胆な投資

インターネット広告に3億

フリルが読モの口コミによる宣伝に依存していたのに対し

後発のメルカリは

出資で得た3億円を毎月5千万円ずつ半年間インターネット広告につぎ込む

という大胆なものでした。

当時は販売手数料も無料だったので収益はない状態。

 

そこから広告の効果が表れ100万ダウンロードを突破します。

 

元Mixiの取締役の小泉文明が参画

このタイミングで元MixiのCFO小泉氏がメルカリに加わります。

ここで社名もコウゾウからメルカリに変わります。

 

メルカリのTVCM

ここでメルカリはTVCMの放映へと動き出します。販売手数料の収益がないため再び出資が必要になり

小泉氏が14.5億円をあつめます。

 

CMでフリルから客を奪う

メルカリは年齢性別などを問いませんでしたが、TVCMに関しては

20、30代の女性にターゲットを絞りフリルから顧客を奪う

という方針がとられ、当時若い女性に人気だったテレビ番組「テラスハウス」に出演していた筧美和子を起用しました。



このCMの効果は絶大で50万ダウンロード/月 のペースでユーザーが増加していきました。

 

2014年9月には500万ダウンロードを超えて23.6億円の出資もうけます。

 

販売手数料を徴収するようになっても顧客減らず

販売手数料10%の徴収を開始しますが特にユーザーが減ることもなく順調に成長を進めます。

2015年2月に1000万ダウンロード。

販売手数料によって今まで0だった収益が一気にに40億円はいるようになり勢いをまします。

 

メルカリのアメリカ進出

ここでメルカリはアメリカにも進出します。

Facebookで優れた自動広告を開発しユーザーを地道に増やし

2016年に招待コードでクーポンがもらえるキャンペーンをしたところ爆発的なヒット。

アメリカのアップルストアランキングの3位

 

ここで山田氏とかねてから親交があったGoogleのジョン・ラーゲリンが米国メルカリのCFOとして参加し

 

「売るアプリ」としてのブランド

として推し進めて成功します。

ロゴなどもよりシンプルに変更し、TVCMやラジオCMの放映も開始



フリルが楽天傘下に

ここでフリルも10億円の出資を得て沢尻エリカを起用したTVCMを打ち出します。

しかしその翌月メルカリが84億円の出資を調達。

 

ここでフリルは楽天からの買収を受け入れ完全に傘下に入ります。

 

 

メルペイの導入

中国に視察にいった山田進太郎は、中国の電子決済システムの発展のしかたに衝撃をうけ、

金融の新事業としてのメルペイの立ち上げを決意します。

 

ちょうどこの頃、インターネットを通じた金銭のやりとりに関する法律が変わったことで

メルカリも金融法に抵触している可能性があると国から通告されていました。

 

メルペイの開発にあたり人員を増やし

グリーの取締役、青柳直樹が取締役に就きました。

 

5年でできた市場

それまで存在しなかった「フリマアプリ」という5000億円にものぼる市場を作り

メルカリはその6割を握っています。

2019年には1300万ダウンロード、総流通額1兆円にまで達しています。

この先はどうなってくのでしょうか。

 

人を集める力

この本を読み終えて

ITの会社の浮き沈みや入れ替わりは本当に目まぐるしいこともよくわかりましたが

 

人を集められる力

 

というのは本当に大きな才能なんだなと思いました。

グリーやグーグル、ミクシィの取締役など大企業の社長クラスの人々をどんどん仲間に取り入れていく才能や人としての魅力。

そして充電期間といって1年間世界一周旅行にでたというのも非常に興味深いです。

 

何かを作り出す人はたまに現場から離れて様々な文化や言語と触れ合うのも大切なことなんだなと思いました。

そういった一つ一つの経験が人を集める人間としての魅力を作っていくのでしょう。

 

 

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