今日はバレエ「真夏の夜の夢」の初演でした。
ブリヤート劇場では年に2〜3個ほど新作を初演するのでこの作品が今シーズン1作目。新作と言っても”この劇場で上演されるのがはじめて”というものがほとんどで
バレエ「海賊」や「リゴレット」「タリスマン」など既存の作品が主です。
バレエ《真夏の夜の夢》
Mendelssohn: Wedding March / Abbado · Berliner Philharmoniker
シェイクスピアの喜劇にメンデルスゾーンが曲をつけた「真夏の夜の夢」はとても有名な作品で、特に結婚行進曲は誰もが聴いたことのある名作です。
この作品をバレエでやることも一般的なのですが、今回は通常のものと違い
モダンバレエでした。
モダンバレエ《真夏の夜の夢》
今回の振付はАнастасия Кадрулeва(アナスタシア・カドリュレバ)。
彼女はウランウデのバレエ学校で勉強したのちにボリスアイフマン劇場(サンクトペテルブルク)のソリストになり、コンテンポラリーの勉強を始めました。
2008年にロシアバレエアカデミー(ワガノワ)の振付・バレエマスター過程を卒業し、現在モスクワバレエ劇場の振付家をしています。
物語の内容
観ていてもいまいちストーリーはわからなかったのですが、
「愛する気持ちが成就した喜びとその権利、自然の奇跡を確認すること」
が主なテーマらしいです。(難しくて訳がうまくできません... )
原文は
”торжество любовного чувства и права на него, подтверждённое чудом природы”
現実世界は白黒で、ヒロインが眠りに落ちるとそこはカラフルなファンタジーの世界になっています。
最初は白黒。
原曲にはない女声合唱もまざりモダンな雰囲気。








出典元:
モダンでもみんなが楽しめるバレエ
コンテンポラリーやモダンというと、衣装無しでかなり前衛的なイメージがあるのであまりお客さんには受けいれられ難いですが、今回の作品は
モダンでもわかりやすくて楽しいバレエ
という感じでした。
夢の中のファンタジーなのでぬいぐるみお化けみたいなキャラクターが登場したり、妖精がどんちゃん騒ぎしたりという感じで楽しいです。
オーケストラが大真面目に演奏しているうえであんな楽しげなことが繰り広げられているとは。笑
振り付けはいわゆる普通のバレエのような感じとは違いもっと自由なのですが、
あくまでもそのキャラクターの動作や感情を表しているので、見ていても全く違和感がありません。
お客さんも大喜びで、これからも上演される作品になったのではないかと思います。
初めて初演に参加して感じた事
今回は僕にとっての初めての初演作品でした。
大道具さんや衣装さんはきっと半年近く前からこの初演に向けて準備して
バレエもシーズンが始まってからずっとこの稽古をしていました。
オーケストラのリハーサルが始まったのは11月に入ってからだったので他と比べれば遅いのですが
休日以外毎日6時間リハーサルがあり、その合間にコンサート2つという感じで随分この曲漬けになっていました。
普段の公演はリハーサルは1回か多くて2回、無いこともあるくらいなので2週間みっちりやったのは初めてです。
一つの舞台はこれだけ多くの人たちの働きで初めて成り立つのだということを改めて知ることができました。
普段は様々な演目を追われるように演奏している中で年に数回初演があるというのは楽しみです。
こうして覚えるまでリハーサルすることで、今後は1回リハーサルで本番ができるようになるということなんですね。
こうやって自分の中にもレパートリーができていくことを幸せに思います。
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