ロシアの歌劇場で研修生
秋にあったオーディションに合格し、ロシアの東シベリアにある「ブリヤート国立アカデミックオペラ・バレエ劇場(Бурятский государственный академический
театр оперы и балета)」で2〜4月で研修生をさせていただけることになりました。
ロシアの滞在には短期でもビザが必須なので
「文化交流ビザ」というものを出してもらわなければならなかったのですが
劇場から合格の通知がきてからも中々滞在許可が降りなかったので予定より1ヶ月ほど遅くなってしまいました。
その劇場では僕の兄の充央がバレエダンサーとして働いており、募集を知りました。
無事にビザもおりて今はモンゴルでトランジット中です。
ブリヤート共和国
ブリヤート共和国とはロシア連邦を構成する共和国の一つで、モンゴルの真北にあるくらいのところです。
時差も1時間。
バイカル湖という世界一透明度の高い超巨大な湖のほとりにあります。
KAGAYA on Twitter: "バイカル湖の大きさ。
琵琶湖の北岸にバイカル湖をもってくると、北は秋田県に達します。… "
バイカル湖の大きさ。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) March 19, 2017
琵琶湖の北岸にバイカル湖をもってくると、北は秋田県に達します。 pic.twitter.com/FQQS97qmxz
国の面積は日本と同じくらいありますが、人口は100万人ほどなので人口密度は1/100ですね
元々はモンゴル帝国でチンギスハンの支配下でしたが、17世紀に金と毛皮を求めてバイカル湖を渡ってきたロシアに侵略されました。
今はモンゴロイドであるブリヤート25%で他はロシア人という感じなのだそうです。
ブリヤート劇場は日本人が建設した
ブリヤート劇場は数少ない東シベリアの歌劇場で、1953年に完成しました。
そしてこの劇場は戦後ロシアに抑留された日本人の方々が中心となって建てたそうです。
ブリヤートにお住まいの方のブログを見つけました!!↓
ブリヤート共和国の首都、ウラン・ウデってどんなところ? - 駆け出し日本語教師の部屋@ロシア・ブリヤート共和国
この劇場の建設のために多くの日本人の方々が命を落としたそうです。
その劇場で僕が初めての日本人音楽家、外国人音楽家なのだとか。
亡くなられたのは僕の祖父と同世代の方々。常に追悼の気持ちを持ちながら演奏したいと思います。
毎年日本人抑留者の追悼のイベントも行われているそうです。昨年は兄と一緒に千羽鶴を折りました。
知られざるシベリア抑留の悲劇 占守島の戦士たちはどこへ連れていかれたのか
バレエの芸術監督も日本人の岩田守弘さん
バレエの芸術監督にはボリショイ劇場でアジア人初のファーストソリストになった、岩田守弘さんがいらっしゃいます。
オフィシャルブログ↓
岩田さんが芸術監督になられてからは、「魂」「信長」といった日本を題材とした創作バレエなども積極的に上演されています。
兄も岩田さんの創作バレエ「富士への登攀」を踊っていました。
バレエ 富士への登攀 Climbing to FUJI ブリヤート劇場 - YouTubeyoutu.be
他にも日本人バレリーナの方々も数名いらっしゃいます。
ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路
プロフェッショナル 仕事の流儀 第V期 バレエダンサー 岩田守弘の仕事 [DVD]
ブリヤート劇場で上演している演目
ブリヤート劇場で上演されているのは、やはりバレエの割合が多いそうで、オペラと半々くらいあるようです。
ドイツではほとんどがオペラでバレエは本当にたまにしかやらないのでさすがロシアです。
バレエは主に
白鳥の湖
眠れる森の美女
くるみ割り人形
ジゼル
コッペリア
海賊
などの古典の主要な作品も多いですが
ブリヤートの神話をもとにした「麗しのアンガラ」や子どもバレエの「青い鳥」などオリジナルの作品もやるようです。
ヨーロッパはバレエであまり古典をやらなくなってきている傾向があるのでうれしいです。
オペラも
椿姫
蝶々夫人
アイーダ
カルメン
トスカ
などのメジャーなものばかりです。
まだ全てが前情報なので、ブリヤートに着いたら色んなことを書いていこうと思います。
6年前にドイツに行った時と同じ、また新しい世界に行けるのはとても楽しみで嬉しいです。
シベリアというと特に日本人にとってはどんよりとたして氷に閉ざされた荒野のようなイメージがあると思うので
そのようなイメージを払拭できるようにきれいな風景をたくさんあげていきたいと思います!
連載はこちら↓
シベリア劇場生活① バイカル国際空港~到着からの無茶ぶり - あうすどいちゅらんと
シベリア劇場生活② 初舞台のくるみ割り人形で兄と初共演 - あうすどいちゅらんと