しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

【3.11】逗子市の追悼セレモニーでソロと金管五重奏を演奏しました【追悼】

”共に生きる 3.11逗子” での演奏

今回の帰国で、同じ神代修先生の門下生の先輩にお誘いいただいて逗子市での東日本大震災の追悼のイベントで演奏する機会をいただきました。

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先輩とは前日に師匠のお家に伺ってきました!

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 先生と写真を撮り忘れた…

 

今回は金管五重奏という

トランペット2、ホルン1、トロンボーン1、チューバ1という編成のアンサンブルを黙祷の後に演奏する予定でした。

 

しかし当日の本番30分前に突然

 

「黙祷の直後に何か1曲吹いてくれませんか」

 

というまさかの一言により、急遽ソロも演奏することになりました。

 

何も準備していませんでしたしかなりあせりましたが、ここはNoとは言えない日本人の気質が発動してしまいました。笑

 

あ、じゃあやります…

 

ということになり、アメージング・グレイスを演奏することにしました。

 

社務所で5分ほどアメージング・グレイスの音を確認して終わり。笑

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そして舞台にあがりみんなで黙祷の時間まで待ち、それなら1分間の黙祷。

この間は必死に楽器を温めていました。笑

 

「黙祷を終わります」

 

という合図と同時に

みんながものすごく静かで神妙な顔持ちをしている中でアカペラでアメージング・グレイスを吹きました。

 

あまりにもものすごい緊張感でしたがなんとかちゃんと演奏しきりました。笑

 

そこから金管五重奏で

宇宙戦艦ヤマト、トトロメドレー、川の流れのように を演奏しました。

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かなりしんみりした雰囲気の中での演奏でしたが、川の流れのようになどは喜んでもらえたんじゃないかと思いました。

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司会が中高の同級生で歌手として活動中のNiM2の2人

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逗子出身ボーカルユニット「NiM2」の公式アカウント。 2014年2月22日、プレシングル「灯火」をリリース。 2015年には同シングルの全国配信開始! 音源の試聴&DLはこちらから→ 所属 ワイズ音楽出版

 

左のMASAくんは小中の同級生で、小学1年生の頃はよく遊んでたな~

右のNAOYUKIくんは中学が一緒でした!

 

僕も演奏会の司会で吹いたり話したりをやったことがあるので司会の難しさをとても良く分かりますが2人はバシッとやってくれていました。

 

地元に根付いた活動でがんばる彼らを応援したいです。

お互い音楽をがんばる者同士がんばろう!という話ができてとても良かったです。

 

演奏後はおでんとわかめスープと焼鳥をおいしくいただきました。

 

地元での活動というのは良いものです。

 

記念に一緒に写真を撮りました

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うーん太った…

 

3.11の日

6年前のあの日、僕は高校2年生でした。

 

逗子高校という地元の高校に通っていたのですが、吹奏楽が盛んで毎年東関東大会にはいくくらいでした。

 

3月には県南の吹奏楽フェスティバルというものがあり、部活を引退した3年生と一緒に最後にみんなで演奏できるというイベントの練習をしていました。

 

合奏をする教室に、机を積み重ねたひな壇で100人くらいが入っていました。

そして確かカヴァレリア・ルスティカーナを演奏していた最中に地震が来ました。

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 机を積み重ねた上にイスを載せて座っていたのでものすごい揺れでした。ただ事では無いことがすぐにわかりました。

 

「あーこれで電気が落っこちてきて死んだりとかするんだよなー」

となんだか他人事のように感じながら妙に冷静だったことを覚えています。

 

そして揺れが収まってからもう一度曲を通しました。

曲が終わった瞬間にさらに大きな揺れがきて、これは避難だということになって学校をでてみたら壁が崩れ落ちていたりして、ただ事じゃなかったんだなとわかりました。

 

幸いなことに高校から実家は歩いて帰れる距離だったので歩きました。停電していてキャンドルを灯したり…。

とても大変でした。

 

ドイツでの東日本大震災の認識

ドイツに行ったばかりの頃は2013年だったので、語学学校などでよくドイツ人に

「君はFUKUSHIMAから来たのかい?HAHAHA」などといわれたり

よく放射能がどうのこうのなどと言ってくる人がいました。

 

自己紹介した韓国人に

「君は”北の”コリアからきたの?HAHAHA」

ときいたりするのもよく目にしました。

 

これをおもしろいジョークだと思っていることが痛々しくて教養のかけらもないなとがっかりしました。

ドイツ人がみんなそうなわけはもちろんありませんでしたが、語学学校のドイツ人の先生で数人そういう人がいたので最初はドイツに随分失望したものでした。

 

ドイツ人に

・原発について

・放射能の危険性についての理解

・国民は政府に対してどう思っているのか

・原発をすぐに停止するべきかどうか

 

などの話をよく聞かれました。

 

ドイツに行ったばかりでドイツ語でこれらを説明するのはかなり難しいことでしたが、おかげで”放射能” ”原子力” などの語彙が増えました。

やはり使う言葉は覚えるものですね。

 

 

ドイツ人は意見を聞くのが好きな人が多いのでおもしろいです。なんの意見もないのはつまらない人間というふうになってしまうので…

 

ドイツにいるとついついこの震災のことを忘れてしまいそうになるので、このようなイベントに参加させていただけたことを嬉しく思います。

 

逗子駅前の熊野神社

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