しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

Lotusのトランペットマウスピース

最近Lotusのマウスピースを試していて、今までにない感覚。

Lotusはアダムラパがプロデュースしているスイスのメーカーで、注目されているんだそう。

モネットと同じく全長が80mmくらいと普通のものよりも随分短く、ピッチセンター理論というやつらしい。

要は今のスタンダードマウスピースの長さはA管用だから高音はぶら下がり低音は上ずるが、それを全てセンターで吹けるようになっているのだそうだ。

 

実際に試奏して買ってみたのは7XL2というモデルで、バックでいう7Bくらいとものすごく小さい。

今まではJKの1Dだったりバックの1Xを使っていたものだから、全く別世界なものとなった。

 

というのも、ドイツではトランペットは音の分厚さや濃密さが絶対に必要なためマウスピースは大きかったり深かったりして吹くのがとても大変だった。

しかしロシアに行ってみると180度違う文化なのだった。太くダークな音色というものは全く求められておらず、柔らかい音もしくは明るく輝かしい音、そして常軌を逸脱するような爆音。

ロシア人は1 1/2Cを使っている人もいたが5c,6c、11B4など小さめなマウスピースを使っている人も多かった。

「お前のマウスピースはデカすぎる」と言われたことも何度かあった。

確かに求められる音と道具に随分相違があった。

そしてみんな楽器はヤマハ

 

ということで、楽器もB,C共にヤマハに変えた。WSとシカゴ第二世代だ。

 

それだけでも随分楽になったがLotusにしてみたらさらに楽になった。

 

「7Cは小さすぎる」という固定概念をなるべくもたないようにして試奏してみると、小さいからと言って細い音がするわけではなかった。

 

まずXL2というカップがバックでいうBくらいだから割と深い。

それからスロートが#24と随分広めだから息が詰まる感じは全然しない。

バックボアも広いっぽい。

 

1 1/2Cなどでスロートを拡張したものは全然合わなかったが、リムを小さくすればスロートを拡張しても大丈夫なのかもしれない

 

結果的に、高音域がものすごく楽になった。

大きいリムと違ってスペースがないため、アンブシュアを操作しようとすると振動が止まるから常に楽な状態をキープする必要がある。

楽器に理想的か状態を導かれるような感覚。

 

他のマウスピースを吹いているのと大きな違いは、高音に行く時の壁を全然感じないことだ。

同じ圧力のまま最低限のシラブルの操作で上がれるから喉を楽に保てる。

 

顎の柔軟な動きとシラブルがもっと全ての音で一致すれば飛躍的に吹くのが楽になるはずと思った。

息が引っかからない感じはとても心地よい。

 

音はかなり輝かしくなるがピャーピャーとはしない感じ。

 

ヴィズッティの「自分が吹ける一番小さなマウスピースにしなさい」という考えも合理的だから、固定概念にとらわれず、自分が一番良いパフォーマンスができるものを選ぼう