デビューはくるみ割り人形
波乱の到着日、”15分後にゲネプロで明日は18時半に本番ね!”から始まり、昨日は公演がありました。
18時半に開演だったのですが当日リハはなく、そのまま本番でした。笑
まあドイツの歌劇場もそんな感じ。
これがチラシ。
ロシア語でくるみ割り人形は”シェルクンチク”と言います。
1stのアシスタント的な立場だったので、基本的には1stと同じ音を吹いていて、静かなところやソロは休みという感じでした。
大音量が必要なところや1stが休みたいところをがんばって吹いたりするあまりプレッシャーのないポジションだったのでちょうどよかったです。
普通なら1stの人とどこで休むかとか吹かないとか話し合うんですが、
なにも言ってくれませんでした。
あ、ここで休むの!?
というところでいきなり消えたりして、ここは休むかなというところはガンガン吹いたりするのでドキドキでした。笑
男性更衣室。汚い。笑
オーケストラピットからの景色
開演前にオーケストラピットに座っていると、たくさんの子どもたちが覗きこんできて不思議そうにこちらを見ていました。
中にはなんだか目を輝かせているような子どもも。
僕も子どもの頃に親に連れられてくるみ割り人形を観に行った時に、同じようにずっとピットを覗き込んでいたなあと感慨深い気持ちになりました。
僕はバレエを見ているよりも
開演前にスタンドに立ててある金管楽器を眺めているほうが好きでした。
やはり自分がクラシック音楽に興味を持ったり好きになったのはバレエの影響が大きいと思うので、バレエ音楽はなんだか特別な感じがします。
ピットの中にいるとバレエは全く見えませんが、この音楽の時はこんなシーンだというのがほぼ頭に入っているので楽しいです。
劇場のインスタ↑
兄との共演
僕が音楽を始めた11歳からずっと、
「いつか舞台で共演したいねえ」
と夢を語っていましたが、それが早くも実現しました。
それもロシアでくるみ割り人形で1stを吹くとはびっくりです。人生何があるかわからないな〜と。
ちゃんと写真を撮りたかったですが時間がなかったので廊下でなんとか撮りました
くるみ割り人形の新演出
くるみ割り人形は最近、芸術監督である岩田守弘さん振付のものにリニューアルされたらしく、一般的な振付とはずいぶん違います。
ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路
兄が踊っている中国の踊りも最後に開脚ジャンプ連発するしカンフーみたいだし全然違います
シベリアのバレエ団だと中国の踊りもこんなんになる(鬼畜) pic.twitter.com/FeoqjJdKQI
— 齋藤友亨 Tomoyuki Saito (@tomotrp) January 11, 2019
普通はこんな感じです(マリンスキー)
Mariisnky - The Nutcracker - Tea (Chinese Dance) - Ovation
終わった後にファゴットのおじさんが握手しながら”プレミーレ”と言っていたのを
”もう何度も挨拶してるのに初めましてって言ってる?w”と勘違いして、自分の名前を言ってしまいましたw
ロシア語勉強してるかい?と言われて
あ!!ドイツ語のPremiereと同じで、初演(デビュー的な)ってことだったのか!
と気づいたものの、さっき言っていたことを理解しましたと伝えるのも一苦労でした。笑
アナタはさっきプレミエ言いましたネ?ワタシそれワカタ。アリガトウ
みたいになっていたと思います
でも伝えることはできたので満足w
ドイツ語よりも準備期間が短いし、こちらで語学学校にいけることもなく、英語もまっっっっったく通じないので、6年前よりもっと過酷な状況笑
Where is the toilet?
とかも通じないという世界
来週またくるみ割り人形がありますがそれまでは休みなので、劇場で練習させてもらいながらロシア語を勉強して頑張っていこうと思います。
2019年9月から正式団員になりました!
ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路
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