しべりあげきじょう

ロシア国立ブリヤート歌劇場首席トランペット奏者  齋藤友亨のブログ (旧あうすどいちゅらんと)

しべりあげきじょう

シベリア劇場生活③ ロシア歓迎の儀式はもちろんウォッカ

 

今日はいつも通り兄と一緒にバレエダンサーの出勤時間に合わせ朝に劇場にいき練習していたら、70歳くらいの初めてみるおじいさんが来ました。

 

ロシア功労芸術家

そのおじいさんはトランペット奏者で、ロシア功労芸術家という称号を得ている人でした。

ロシアの功労芸術家はソヴィエト連邦時代から存在する称号で、ロシア連邦成立でも引き続き芸術分野で功績を挙げた人物を顕彰する制度となっている。

 

今は劇場の音楽家が少ないということで、この歳でもまだ吹いてるんだ〜

と言っていました。

 

元々はイルクーツクというブリヤートから少し西に行った街で育ち、音大はもっと西の方だったんだとか。

 

50年間この劇場で1stを吹いていると言っていました。

 

ドイツで習っているエルプ教授と同じくらいかなー

この歳でオーケストラで吹いているってすごすぎる…

 

と思いながら練習していたら

 

 

"おい!!白鳥の湖とくるみ割り人形を吹いてみろ!!"

 

と一緒に練習してくれました。

 

ソロ吹いてみろ!!

と言われて吹いたら、色んなアドバイスをくれました。

 

吹いてみると、

 

そうだ!!いいぞ!!

と言ってくれました。

 

実際ロシア語はほぼわかりませんが、音楽家なので

 

こう吹け!

と相手が吹いてくれたことを真似することはできます。

"短く"という単語すら知りませんが、吹いてくれればわかります。

 

こうやって全く言葉が通じなくても、分かり合えるところが音楽の素晴らしさだなと改めて思いました。

 

ウォッカを飲もう

ある程度楽器を吹いたら

 

酒は飲めるか?

と聞かれたので

 

"もちろん!私はドイツで勉強しました!"

と言ったら笑っていました笑

 

なんと彼は少しドイツ語が話せました

 

劇場の音楽家は、英語はWhatとかWhereとかも知りませんが若干ドイツ語を知っている人がいておどろきます。

 

Trinken!Trinken!(飲め飲め)

 

とホルンの人にも言われてびっくり。笑

 

それからスーパーに行ってウォッカとパンを買いました。

 

ロシアのスーパーの酒売り場のウォッカのヴァリエーションはすごいです。

多すぎw

 

おすすめのウォッカはこれ

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そして楽屋に戻り色んな話を聞きながら楽屋で飲みました。

 

 

ロシアの乾杯は一気飲み

ロシアでお酒を飲む場合

 

「〜に乾杯!」

と言いながら一気飲みします。

 

ウォッカはゆっくり飲みません。

 

というわけでことあるごとに乾杯という感じでした。

40度くらいあるのでちょーキツかったです。

 

一本飲みきったところで、まさかのホルンの人がもう一本持ってきました…

 

そんなこんなでロシア式の洗礼を受け

 

お前はいいやつだ!息子と思って面倒を見てやるぞ!

 

といわれ、頬に思い切りキスされました笑笑

 

おじいちゃんにキスされるとは笑

 

ロシア人ってあまり愛想よくニコニコしたりはしませんが、仲良くなるとすごく笑うなーと思いました。

 

ロシア語を理解するのは本当に大変ですが、意外と理解できるんだなーと嬉しかったです。

 

 

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コミニュケーション

ドイツでも学びましたが

コミニュケーションは話している内容意外の部分がほとんどなんだなと本当に思います。

 

やはり表情だったり、立ち振る舞いが相手の印象を決めるんだなと。

 

言葉がよくわからないので、ニコニコすることとバッチリ楽器を吹くことで交流を深めていこうと思います。(もちろん勉強しますが)

 

 

 そんなこんなで2019年9月から正団員になりました!

 

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